ドラゴンスピリットというゲーム2:大事なのは感触

これのつづき。
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ではナムコにとって本当にワンオブメニーだったのかというと、そうでもなさそうな節もある。

確か何かの記念作品だったように思うが、それらしい情報がネットには見当たらないので私の記憶違いかも知れない。やっぱりワンオブメニーだった?

エンディングでナムコの過去の全作品リストを流すという恐らくこのゲームだけの趣向は、ドラゴンスピリットが渾身の作であるという意思表示なのか、それとも単にエンディング曲の尺が余っただけなのか。

とにかくこのゲームは、システム的には平凡とすら言える一方、多くのゲーマーに大層魅力的に映った。


ゲーム、とりわけシューティングゲームに大事な要素は何かと問われたら、私はそのひとつに「感触」を挙げる。なんだそれ。

自機を上下左右に動かした時の感触、弾を撃った時の感触、敵にダメージを与えたり倒したりした時の感触。これらは速度調整、ビジュアル、効果音等で演出されるものにちがいないが、自分の遊んだゲームを思い出す時、私はこの言葉で説明しようのない、体に流れ込んで来る手応えのようなものを思い起こす。

私には、その「感触」にかけてはドラゴンスピリットが抜群に心地よい。近い時期に出たグラディウスよりもファンタジーゾーンよりもアールタイプよりも、やはりドラゴンスピリットである。


このゲームの感触は、ひとことで言えば「有機的」である。

弾の発射音や、雑魚キャラを倒した時の音が取り立てて優れているとは思わない。ゲームセンターではほぼ聞こえないくらい存在感が薄い。しかし、このゲームに関してはそこがいい。リアルすぎては気持ちが悪いし、かといってギャラガのようなコミカルな音や、ゼビウスのようなメタリックな音はこのゲームに合わない。

雑魚キャラを倒した時は、生き物を仕留めたような感覚があり、それでいて生々しすぎもしない。

一方、大きめのキャラやボスキャラにダメージを与えた時の音は絶妙だ。(効いてるのか効いてないのかわからないのはよくない。)

ボスの撃破音「ズガッシャーン」もいい。波形メモリ音源でこんな迫力のある音も出せるのかと今更ながら驚く。

この音。
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