T&Eソフトのシューティングゲーム

T&Eソフトのシューティングといえば、レイドックシリーズがあまりに有名だ。が、異論はあると思うがT&Eソフトにとってシューティングゲームは得意分野ではなかったと私は思っている。
ひとことで言えば「練り込みが足りない」。

操作感覚

シューティングゲームでは「操作感覚」という要素がとても重要だ。レバー(カーソルキー)操作時の自機の動き(主に速さ)、そして弾の発射音とスピード、これらの印象(快・不快)がゲームの面白さをかなり左右する。自機を動かし、弾を撃つ、延々繰り返されるこの操作が心地よくなければ、そのゲームは既にハンデを背負っているわけだ。T&Eのシューティングは、大半がまずここでコケている。

敵機のアルゴリズム

アルゴリズムなんて小難しい言葉を使うこたないか。要するに「敵機の動き」ですな。
こいつは速すぎても遅すぎてもいけない。飛行パターンも、漫然と突っ込んで来るばかりというのは論外として、「近付いて来て弾を撃って逃げる」といった凝った動きであっても、それをかわして撃墜した時の快感への配慮は欠かせない(たとえば登場時の速度、静止時間、退却時の速度、加速・減速の加減など)。撃墜時の音や映像が、その快感を増幅してくれるものでなければならないのも言うまでもない。
弾が速すぎるのもよくない。難度はあくまで攻撃パターンによって調整し、反射神経の勝負にはしないことが肝要だ。
シューティングゲームの基幹と言っていい要素なのに、T&Eソフトはここをなおざりにしがちだった。

ゲームシステム

T&Eソフトは新しいゲームシステムを打ち出すという野心を身上としていただけあって、多くのゲームにおいて大胆な試みがなされていた。シューティングゲームも例外ではなく、正直のところ、T&Eのシューティングゲーム、特にレイドックシリーズは、独自のシステムによって辛うじて評価を得ていたという印象が強い。
RPGシミュレーションゲームの場合は、アイデアが優れていれば作りが多少いい加減でも高く評価されがちである(または、評価されがちだった)。しかしシューティングゲームではそうは行かない。味わいよりもまず快感ありきだからだ。
イデアは斬新だが詰めが甘い。T&Eソフトの抱えていたこの傾向はシューティングゲームにおいてゲーム性を大きく損ねる。コナミグラディウスシリーズに大きく水を空けられたゆえんだろう。
個々のゲームのレビューはそのうち。