ドラクエを語ってみる11

生前の淡路恵子ドラクエ好きは有名らしい。
この人は時間を「やり過ごす」手段がほしかったんじゃないかと勝手に思っている。ま〜単純に好きだっただけかも知れないけど。
奥の深いゲームは疲れる。将棋なんか1局打つのも大変だ。シューティングゲームなど反射神経型も体力と集中力がいる。
その点、ドラクエタイプのRPGは「楽」だ。
頭を「少し」使うけれど、だらだらと作業をすることで常に変化が表れる。疲労が少ないから際限なく遊んでいられる。これがウィザードリィのような3Dダンジョンタイプだと、もっと疲れる。
かつてはRPGというと「根気のいるゲーム」というイメージが強かったが、次第に「快適さ」が喜ばれるようになって行った。苦労して解くから嬉しいはずなのに、作り手は苦痛を取り除くことに腐心しなければならないというのも奇妙な話ではある。
とにかくそうした「快適さ」の追及に余念なく開発されたドラクエシリーズは、将棋のように頭を使う必要もなく、かといって映画鑑賞ほど受け身でもなく、しかも遊んでいて苦痛が少ない。そこが淡路恵子にとって「ちょうどよかった」のではないかと思うのだ。
もしそうだとしたら、「天国でもドラクエ楽しんで下さい」ってのはちょっとちがうよな。余計なお世話ですが。