ドラクエを語ってみる5

ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」(2000年発売)
これがシリーズ中最も酷評された作品と知ったのは少し後のこと。
まず、360度回転の3Dマップというシステムに悲鳴を上げた。画面を回転させなければ見えない階段や扉があちこちに。これがゲームを面白くしているとは到底思えない。
そして……戦闘が始まりません。序盤はマップ内をうろうろする作業ばかりが延々続く。しかもその作業がさっぱり面白くない。
私が想像していた「とっつきやすく、そつなくまとまった本格RPG」というゲーム像には程遠いしろもの。なんなんだこれは。
さまようこと数時間。なにやら異世界に入り込む。
おぅ、敵だ。戦闘だ。かかれ〜野郎ども〜このこのこのっ。はぁはぁ、勝ったぜ。
ようやく正調RPG(なんだそれ)に突入。

戦闘

初期ドラクエを眺めて感じていたのは、戦闘場面がどうにもまどろっこしいということ。
○○のこうげき!
△△に××のダメージをあたえた!
△△は★★をとなえた!
○○は××のダメージをうけた!
これでやっと1ターン。
ブラックオニキスなどは、5人パーティーで15匹くらいの敵と戦っても、設定によっては1ターンが数秒で終わる(気が付いたら仲間が1人減っていたりする)。
RPGというのは所詮は数字の世界。数字の増減でしかない攻防にビジュアル等のこけおどし的な肉付けによって、いかにプレイヤーに思い入れを持たせるかが作り手の腕の見せ所ではある。
その点ではブラックオニキスのような身も蓋もない戦闘場面ではさすがに味気ないし、かといってドラクエの戦闘の長ったらしさは横で見ていてもイライラした。
ではドラクエ7はどうか。
メッセージ表示を最速に設定すれば幾分快適にはなる。が、魔法のアニメーションの長ったらしいのには閉口した。省略も高速化もできない。結局アニメーションの長さが嫌で、ボス戦を除き魔法は殆ど使わなかった。魔法ひとつで5秒も10秒も待たされるのは耐え難い。

謎解き

ドラクエ7の軸となるのはバラバラに砕けて各地に散らばっている「石版」探し。これが1枚でも欠けていると先に進めない。行き詰まったら過去に行った場所をくまなく探すという気の遠くなるような作業をせねばならない。もっとも、各マップに1枚は石版があるという前提の下に、どこでどれを見付けたかをメモしておけばそう途方に暮れることはなかったのかも知れない。
結局私はオマケ分(クリア後に遊べるマップがある)を除けば2枚の石版を自力で見付けられずネットの情報を頼りにしてしまった。うち1枚はフツーに探せば見付かる場所にあり、もう1枚は画面を回転しないと見付けられない場所にあった。
この石版の数がやたらと多い=マップがやたらと多い。あまりに多いものだからワクワクしながら探すというよりも「まだあんのかよ」というウンザリが先に立つ。

ストーリー

街や村ひとつひとつに用意されているストーリー。これが本筋と直接繋がりのないものが多く、いたずらにゲームの規模を大きくしているだけのように感じられる(ネット上ではこれらは「おつかいイベント」と呼ばれている)。ひとつひとつのストーリーが面白ければまだ救いもあるが、どれもこれも陳腐でヤッテランネエ。
このあたりも「まだあんのかよ」という感覚に繋がっている。ゲームのストーリーに多くを期待するつもりはないけれど、せめて1本の線で繋がっていてほしいよ。
ちなみにこのストーリーについては興味深い説がネット上でまことしやかに囁かれているが、それについては後述(するのか?)。

先に総評

文句ばかり書いてますが、結構楽しんでます。5点満点なら4を付けるかな。10点満点なら7。
(つづく)