ドラクエを語ってみる

ファミコンvs.パソコン

80年代のファミコン人気はすごかった。マリオブラザーズを筆頭に任天堂ゲーム群を私も遊びまくった。トモダチんちで……。はい、持ってませんでした。
私が持っていたのはMSX1。これが周りにバカにされるんだわ。16色のグラフィック、1色のキャラ、8ドット単位のスクロール。
けれども私は、パソコンゲーム界の熱気が好きだった。評価の固まった移植ものに慣れたファミコンユーザーは、見た目がちゃちなゲームには見向きもしない。だがパソコンゲーム界では、作り手には新しいものを生み出そうという野心があり、遊び手にはとっつきにくいゲームにも食らい付く貪欲さがあった。そうやってゲームの世界の裾野が拡げられて行くのを見るのが楽しかった。
そうした玉石混交の中から選び抜かれた「玉」の部分だけをさらって行くファミコンの世界は、さほど魅力的には映らなかった。「石」を見てせせら笑うファミコンユーザーの面々は、ファミコン版のヒットゲームの何割かはパソコン界の無数の「石」あってこそのものであることを知らなかった。

ドラクエ登場

ドラゴンクエストが面白い面白いと周りが騒ぎ出したのは1986年。
ナニナニナニ、ファミコンRPG
RPGの歴史を簡単にひも解くと……(大雑把すぎだと突っ込まないように)。
1981 ウルティマ
1981 ウィザードリィ
1983 ザ・ブラックオニキス
1984 ハイドライド
1984 ドラゴンスレイヤー
1985 ザナドゥ
1986 ドラゴンクエスト
ケッ、またいいとこ取りかよ。
「古典的RPGの焼き直しに過ぎないではないか」という私の感想とは裏腹に、ドラゴンクエストは驚異的なヒット作となった。
(実はこのドラゴンクエストIは、ファミコンのゲーマー層を考慮してあえて内容をシンプルにしていたのだと後で知った。言わば第2弾、第3弾への布石であったというのだから驚きだ。)
私はファミコンを持っていなかったし、鳥山明すぎやまこういちRPGというゲームジャンルもあまり好きではなかった。結局私のドラクエ体験は、友人の持っていたMSX2版をレベル5程度まで遊んだだけであった。
(つづく)