ドラクエを語ってみる9

イースというゲーム

1987年に「イース」というARPG(Aはアクティブまたはアクション)が発売され、大ヒットした。(翌年の「イースII」も大ヒット。)
ストーリー重視のRPGの先駆けで、道筋を知っていればクリアするのに3日とかからないという、当時のPRGの常識では考えられないゲームだった。これが熱烈な支持を集め、「エンディングでは泣いちゃった」なんて人も珍しくなかったほど。
が、そのストーリーというやつ、当時学生だった私の目にはムニャムニャ。
以後、ストーリー重視のゲームには疑いの目を持つようになった。逆に、ストーリーが陳腐でも、ゲームの骨子が優れていれば不満はなかった。「ハイドライド3」みたいにね。

ドラクエの場合

その点ドラクエシリーズは、本格RPGとしての骨子を持っているから、ストーリーのできがゲームの面白さにさほど影響するとは思わない。だから、ストーリーがつまらないからといって目くじらを立てる気はない。
しかしドラクエ7のストーリーに対して私が感じたのは、単なる「つまらない」ではなかった。大抵は「つまらない=作り手が下手だった」というだけのことなのだが、ドラクエ7のストーリーは私には「何を考えて作ったのかわからない」。皮肉ではなく、本当に不思議だったのだ。
そう、ゲーマー間でも非難の的となっていたらしいキーファという人物の扱いのことだ。
(10年以上前のゲームだから書いちゃっていいよね。ストーリーを知りたくない人はこの先読まないでネ。)

なんでそうなるの

主人公の幼馴染であり、一緒に冒険をすることになるキーファは、物語の中盤でパーティーを抜ける。
さてこれがその後どう絡んで来るのかと思えば……殆ど何もないんだわこれが。
キーファの子孫と思しき女性が現れることと、あとはエンディングで、キーファの手紙が到底あり得ない偶然で主人公の手に渡るのみ。ナンデスカコレ。
陳腐というよりもライターの意図不明。わけがわからなかった。

シナリオが差し替えられていた?

宙に浮いたままのセリフ、使い道のない魔法やアイテムなど、不自然な要素の数々が生じた理由を解き明かす大胆な説が、あるゲーマーにより提示され、ネット上で話題になっていた。
http://towerof.web.fc2.com/dq7nz.htm

ドラゴンクエスト7の最後の敵は構想段階では主人公の親友「キーファ・グラン」で、この話は仲良し二人が勇者と魔王として対峙せねばならなくなった悲劇だったのをあまりに暗いオチなのであわてて取り下げたりしていなかったか。

事細かに語られている根拠もいちいち納得できるもので感心させられた。
(つづく)