MSX版(1986)
ファミコン版の少し後に発売された。
色数は僅か15(「透明」を加えると16色)、スクロールは8ドット単位、スプライトは単色で横に4つしか並べられないという、ファミコンユーザーの嘲笑の的になっていたグラフィック機能にも関わらず、ファミコン版グラディウスを凌ぐその出来映えはMSXユーザーの溜飲を下げた。らしい。
長いレーザー、ファミコン版ではカットされた敵キャラ、前面にのみ当たり判定のあるフォースフィールド、ビッグコアの大きさ、オリジナルステージの追加、完成度の高いBGMなど、確かにファミコン版にない長所が満載だ。ついでに言えば全面クリア時のデモもMSX版の方がカッコいい。
でも私は、せっかく買ったグラディウスを友人のロードファイターと交換した。で、友人の手に渡ったこのゲームを後でまた借りて遊んだりした。好きなのか嫌いなのかはっきりせい!
ちなみにこれはコナミ初の「メガロムソフト」である。メガロムとは1メガビットロム、つまり1024bit=128KBという大容量ロムカートリッジである。128MBじゃないよ、128KBだよ。
i-revo レトロゲーム
レトロゲームがプレイできる有料サイト。(「プロジェクトEGG」というのもあるがこちらの話題は後日。)
コナミのゲーム多数。機種はMSX、ファミコン、スーパーファミコン、PCエンジン。
http://game.i-revo.jp/
月額315円で毎月3本のゲームがウインドウズXP上で楽しめる。
グラディウスのMSX版、ファミコン版、PCエンジン版があり、すかさずファミコン版とPCエンジン版を購入。あとの1本については後日(コナミじゃないよ)。
ファミコン版(1986)
初の移植、かな。
ブツ切れレーザー、ビッグじゃないビッグコア、数々の敵キャラ・障害物の省略等、当時ボロクソに言う者が多かった。しかし私が初めて見た時の印象は「意外にやるじゃないか」。グラフィックは当然MSX版より上だし、レーザーが短いのもビッグコアが小さいのもゲーム性重視の賜物と考えれば上々のできだったと今でも思っている。
さて発売からさほど経っていない80年代にプレイした時の感想だが……1面クリアできませんでした。感想をどうこう言う以前の問題です。MSX版は全面クリアできたのに。
敵の動き(アルゴリズム)は当然異なる。MSX版に比べてファミコン版の方がスピーディーでいやらしい(アーケード版に近いのかなとも思っていたが、必ずしもそうではないようだ)。パターンを把握してしまえば簡単だが、それを知らないと出会い頭にコロリとやられる。負け惜しみを言うのではないが、私はこういった傾向を好まない。
私が下手だったもっと大きな要因はコントローラー。ファミコンの十字コントローラーでは斜め移動がし辛く、シューティングゲームを楽しむには慣れが必要だ。
しか〜し、今の私にはジョイスティックという強い味方がいる。プレイステーション用だが、調べてみたら変換器が千円台で売っている。敵の独特のアルゴリズムにてこずったものの全面クリアを達成。
完成度の高い移植だったと改めて思う。しかしボーナス点やらワープやら、妙な要素が追加されているのは気に入らない(これはMSX版のエクストラステージにも感じた)。特に3面でモアイを10体以上破壊したら4面はスキップというのは疑問だ。普通にクリアしたらまず10体は破壊しているじゃないか。
余談だが、その後発売されたファミコン版「沙羅曼蛇(サラマンダ)」ほかグラディウスシリーズの完成度には(好き嫌いは別にして)ただ驚くほかはない。ハードウェアの制約を克服したコナミの技術には脱帽だ。
PCエンジン版(1991)
Wikipediaによれば、移植のレベルは相当高いらしい。一方、「できはいまいち」と評する個人サイトもあるが、アーケード版をあまりプレイしたことのない私には実際のところはわからない。
ただ、私が今まで思っていた以上に、グラディウスというゲームは面白いと感じた。コナミのゲームに私が感じていたいやらしさがあまりなく、なかなか快適にプレイできる。但し、ミスをした後の立て直しの難しさには閉口した。
しかしi-revoの大きな特長として、プレイ中の好きな場所でセーブできるというのがある。しかも10ヶ所。私はこれを利用し、まずステージ1からプレイし、ステージをクリアする度にセーブした。ミスをしたらそのステージの先頭からやり直す。邪道な遊び方だが、とりあえずそうやって全面クリアした。以後、ステージ1から進めるところまで進み、ミスをしたらそのステージを繰り返し練習する。はじめは何も考えずに突破できていた場所が、回数を重ねて却って攻略できなくなったりもする。そんな時はここでこの位置に移動、次にこの位置へ、と明確な攻略法を見付けて行く。そんな風にして、昨日ようやくノーミスクリアを達成した。2周目をプレイする気はない。「立て直し」の醍醐味を味わう気はもっとない(少し前に1ミスクリアもしたけれど)。
本当はセーブなどせず、常にステージ1からプレイする方がスリリングだし、クリアした時の喜びも大きい。毎回毎回同じ場所でミスをする。時間をかけて、またそこまで進む。またミスをする。その繰り返しを通して、やっと攻略法を見付けて突破する。それがシューティングゲーム(というよりアクションゲーム全般)の醍醐味だと思う。しかし今はそこまでの執念をゲームに燃やす気にはなれない。年は取りたくないものじゃ……。
それにしても触手面の存在は不可解だ。あのステージ、やってて楽しいか??
波形メモリ音源
ときにこのPCエンジンというゲーム機、搭載音源はかの「波形メモリ音源」。つまりFM音源が普及する前にナムコやコナミがアーケード版ゲームで採用していた、PSGとFM音源の中間のような音源。
そして、いまだ人気の高いグラディウスのBGMには、まさにその波形メモリ音源が使われていた。PSGにもFM音源にも、あの味はなかなか出せない。PCエンジン版への期待はいやが上にも高まろうというものだったが、どういうわけかBGMは大幅なアレンジが加えられたもので、そのできは必ずしも褒められたものではなかった。
同じ波形メモリ音源でもPCエンジンのものの特色だろうか、音色が全体にボテッとしており、アーケード版グラディウスの軽やかさ、爽快感には程遠い。多様な音色を駆使している分、色彩豊かになっているとも言えるが、大方のゲーマーは原曲に近いものを期待していたのではなかろうか。少なくとも私はそうだ。当時最も忠実な移植と言われていたX68000版ですら、BGMに関してはFM音源のため原曲そのままとは行かなかった。波形メモリ音源のPCエンジン版で変にいじられてしまっているのがつくづく悔やまれる。
BGMについて
前述の通り、グラディウスのBGMは今なお人気が高い。特に4面のBGMの躍動感は秀逸だ。実際のところ、グラディウスのBGMの評価を決定付けたのは4面のBGMなのではなかろうか。
1面も優れているがインパクトは4面に譲る。2、3、5面はカッコいいとか美しいとかいうのではなく好んで鑑賞する人は少ないだろう。6面(特殊細胞面)は、出だしこそカッコいいが後半は息切れ。曲の展開に困り果て、未消化のまま完成されたという印象が強い。最終面は、あえてメジャーコードの曲を持って来ることで意表を突いたという以上のインパクトはなかった。グラディウスに限らず、最終面のBGMは「あやしい曲」と相場が決まっているような気がする。各面空中戦のBGMもいい雰囲気を出しているが決定打ではなかったと思う。
- 出版社/メーカー: コナミ
- 発売日: 1996/03/29
- メディア: Video Game
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