コナミとMSX

コナミのゲームはあまり好きではなかった。と、のっけから身も蓋もないことを言う。但しこれはMSX版に限っての話である。他機種やアーケード版についてはよく知らない。
MSXコナミで持っているとさえ言われていたくらい、コナミMSX版ゲームはどれも完成度が高かった。そこに異論はない。私の好きだったT&Eソフトも、公平に見てコナミほど優れたソフトを連発してはいなかった。
だがコナミのゲームには独特のくせがある。
ひとつは、変に細かい操作が要求されること。「こうすればここは突破できる」という攻略法がわかっていても、少し手元が狂っただけでミスになるという体の難関がやたらと多い。私が不器用というのもあるが、スリリングを通り越してストレスになることが多かった。
もうひとつは、シューティングゲームに特に顕著だが、一度ミスをすると立て直しが困難な場面が多いこと。残機がいくつあろうとそこで全滅という憂き目を何度見たことか。逆に「ミスしてからの立て直し」をコナミシューティングの醍醐味のひとつとして楽しむ向きもあるようだが、私にはこれまたストレスの種。
コナミのゲームへの私のイメージは「面白いが飽きやすい」。だから私はコナミMSXソフトは「タイムパイロット」と「グラディウス」の2本しか買っていない。しかも「グラディウス」は後に友人の「ロードファイター」と交換し、更にロードファイターは「ブラックオニキス」と交換した。他のコナミのゲームはもっぱら友人から借りて遊んでいた。MSXユーザーとしてはやや異端だったと言えるかも知れない。
そのくせ、今改めて遊んでみたいと思うMSXソフトはとなると、コナミのゲームがすぐに思い浮かぶ。やはり第一級のソフトハウスだったのである。