男性優遇の雇用は差別か?

という疑問を実はかねがね持っていた。
資本主義の理屈から言えば、企業は利益を最優先すべきもの。性別による待遇の差も、正当かどうかはさておき企業の側としては理由がある。
「腰掛OL」「寿退職」という言葉まであるように、女性の勤続年数が少ない傾向はあるのだろう。重要な仕事を与えないからすぐに辞めるとも言えるし、すぐに辞めると予想されるから重要な仕事を与えないとも言える。
それゆえ女性であるというだけで取引相手になめられがち。電話で女性の責任者が応対しても「男を出せ」と言い放つバカもいる。しかしバカと良好な関係を築くのも企業としては必要なことで、男性の方がスムーズにことが運びやすいという困った現実がある。
つまり能力が同等でも、女性より男性の方がより多くの利益をはじき出しやすい構造が日本の企業社会には根付いてしまっているわけだ。たとえ雇う側の女性観が歪んでいなかったとしても、そうした企業社会の呪縛ゆえに女性を重用しないというケースも多々あるにちがいない。


そこで男女雇用機会均等法である。これ、なぜできたのだろう。いや、反対する気はまったくないのだが、なぜそれが必要と判断され、制定されたのかという素朴な疑問。
女性がカワイソウだから? じゃないよなあ。
こうした法律は、最終的には企業が儲かり、国が潤うものでなければ意味がない。
こんなのを見付けた。
http://www.nararoudoukyoku.go.jp/05kintou/02houpos01.html
法律ではなく、「ポジティブ・アクション」なる企業の取り組みだが、なぜ男女平等にしたら儲かるのかがよくわかる。

労働意欲、生産性の向上
多様な人材による新しい価値の創造
労働力の確保(少子・高齢化)
外部評価(企業イメージ)の向上

差別がケシカランからやめろというのではなく、女性の重用は利益に繋がるのだという視点。
だが「男を出せ」の感覚がまかり通る現状では、理屈通り利益に繋がらないというジレンマが企業の側にはあるのではないか。産休や育児休暇のコストはバカにならない。だからこそ今は国が支援しているわけで、本当にそれで儲かるなら支援なぞしなくても企業は勝手に取り組むはず。企業の葛藤は当分続くことになるのだろう。
「男を出せ」で検索したら、かの有名サイトが。
http://aniki.kululu.net/sc/t_neta/ps/ps_498.htm


あれ、表題の問いへの答えがない。ま、いいか。