第19話・補〜今週は泣きました〜

という感想文にはいい加減食傷している。泣くのは別にいいんですが。
第19話には、実はあまり心を動かされなかった。演出がどうこうではなく、理由は数話前に遡る。
両親が逮捕され、ひとり家に残ったしゅう。だが虐待を繰り返していた母親との関係には修復の兆しが見え、一家を追い回していたヤクザも逮捕。久しぶりに見た母親の笑顔。事態は間違いなく解決に向けて動き出していた。「お母さんがいない間は先生の家に来るか」という呼び掛けに「自分の家で待ちます」としゅうが答えたのは、それを感じてのことではなかったのか。ところが「お前のせいで家族がバラバラだ」と親友の崇史を罵倒。わけがわからなかった。
今回のしゅうの告白によれば、家にひとり残され、寂しさのあまり罵倒した崇史が自殺未遂、耐え切れずに覚醒剤、ということらしい。どうもこのあたりの整合性が掴めず、しゅうに感情移入できずにいた。
舞子という幼なじみの存在も気になるところ。「しゅうを心配する」こと以外に彼女は何もしていない。言い換えれば描写が一面的で「支えとなる人がいてもやめられない覚醒剤」という演出のための小道具の域を出ていないように思う。