アルベルト・シロマ ソロライブ in 代官山

晴れたら空に豆まいて」で2度目のソロライブ。客層(年齢層)からいえば、この店はアルベルトのライブには不向きかもなあ。椅子の座り心地はよくないし、ゆっくりたっぷり食事ができるわけでもないし、コアな音楽愛好者のための店という感じ。まあ彼のライブが聴けるのだから贅沢は言うまい(言っとるやんか)。
前回と同じく白川美奈(ピアノ)とのコンビ。
とにかく思いつくままといった印象の前回とは打って変わって、盛り上げどころを押さえた構成になっていた。有り体に言えば定番曲が散りばめられたということだけど、ジプシー・キングスのメドレーや「コンドルは飛んで行く〜花祭り」などは、これだけでチャージの元が取れた気にさせられる。アンコール2曲目は「マイ・ウェイ」のイントロと思いきや、歌い出したのは「川の流れのように」。が、途中からやはり「マイ・ウェイ」に。これまたお見事。
今回もまだ手探りの段階に見えたが、もう1〜2回で演者にとって手応えの感じられるものになるんじゃなかろか。今後都内でのライブが増えるのではないかという噂も、多分に希望的観測ながらファンの間では囁かれている。そうなれば嬉しい限りだ。


ただ、このコンビによってアルベルトの新しい一面が掘り起こされ得るかとなると、疑問を感じなくもない。恐らくピアニストは今後もサポート役に徹し、アルベルトとバチバチと才能をぶつけ合うというスタイルにはなるまい。主従のはっきりしたポジショニングでライブの完成度を高めて行くこと自体は悪いことではない。しかし私としては、アルベルトにはそうした調和の世界だけでなく、何が飛び出すかわからないような才気も見せ付けてほしいのだ。スタンダードナンバーを朗々と歌い上げる、それがアルベルトのソロライブの全てだとしたら、私には物足りない。贅沢かなあ。