プロレスリング・ノア in 日本武道館〜小橋建太復帰〜

武道館で立見券まで販売。ノア史上初だそうな。
先日の札幌大会と同じく、前座から飽きさせない試合が続く。
エルボー合戦はすぐ切り上げられるし、間延びしたお約束技も控えめ。うがった見方をすれば、日曜夜の興行だからテンポを上げようという意識が働いていたとも見られるが、試合が面白くなるのなら文句はない。

小川&エドワーズ対KENTA&石森

KENTAと小川の絡み。柔と剛のぶつかり合いが面白い。パートナーの石森が割を食って格下のエドワーズに敗れてしまったが許してやってくれ。

――小川選手に言いたいことは?
KENTA:すべてが中途半端だから。やるのかやらないのか、どっちだって。
――どこが気にくわない?
KENTA:こうやってちょこっと汚い手を使ってくるから。納得いかない。個人的にあのスタンスが気にくわないし、自分があの年齢になっても、ああいうスタンスは考えられない。
スポーツナビ

ダーティーなスタイルは小川の持ち味として評価できるとしても、リング上での自分のポジションの置き方が私は好きじゃない。そこをKENTAが言ってくれている気がする。試合にもコメントにも溜飲が下がった。

田上&志賀vs.バイソン&齋藤

バイソンはねえ、とにかく人の良さが歯がゆい。志賀の急所攻撃を散々食らっておきながら、激怒して半殺しにするような暴れ方を決してしない。「怒らせると何をするかわからない」という脅威を与える資質を持った選手だと思うのだけど。
試合としてはこの日一番の凡戦だったかも。齋藤が受けまくってようやく試合を成立させたという印象。志賀は打撃ですぐに動きが止まっちゃうなあ。パワーにはスピードで対抗するしかないのだが。

丸藤vs.森嶋

森嶋のGHC次期挑戦査定試合といったところか。
文句なく面白かった。ラストは丸藤がチリ紙のように吹っ飛ぶ吹っ飛ぶ。森嶋は頭部への蹴りを受け切ってしまったが、あれはさすがにかわした方がいいと思うぞ。
次期挑戦は決まりかな。

三沢&秋山vs.小橋&高山

復帰前より細い印象はあったが(10キロ減だったか)、レスラーとしてはあれが標準体型かも知れない。動きにぎこちなさも見られたが、試合に出られさえすればすぐに勘を取り戻すだろう。
正直、生観戦の時よりも、後でテレビ中継を観た時の方がジンと来た。表情がいいんだよ。技よりも、チョップやラリアットを叩き込む時のあの表情こそが「小橋復活」を強烈に印象付けてくれた。


懸念されたのは翌日の検査結果。膝の故障から復帰した時は、翌朝の報道に凍り付いた。
しかし小橋のことだから試合後は逆に数値がよくなってるんじゃないか、なんて冗談交じりに話していたが、どうもそれに近い検査結果だったようで。プロレス界の天然記念物だな。
来年1年間を元気に戦い抜いてほしいと心から思う。