プロレスリング・ノア in 武道館

会場に入るとなぜか試合をもうやっている。

百田&石森vs.太田&平柳

第0試合ということらしい。も少し早く行くんだった。別の団体でもやっていたが、いい手だと思う。早く来た人は得をした気分になるし、「興行が長い」と不平を言う人も出ない。若手の経験にもなる。

泉田&橋vs.志賀&金丸

泉田が……何をしたいのかよくわからなかった。パートナーとの仲間割れ?→和解というありがちなネタなぞなにを今更と思ってしまうのだが。(後で、橋と泉田がタッグを組むと知る。掌を返すようだが面白いかも。)
志賀はそろそろGHCタッグあたりを狙ってみてはどうか。といってもパートナーがいないか。第一線に食い込む意欲さえ見せてくれれば本田でもOKだ。
以後前座のタッグ、6人タッグいずれも当たり。

川畑&井上&菊地vs.潮崎&本田&金丸

潮崎はあらが目立つものの勢いを維持している。この試合のもう一人の立役者は川畑。突然変異のごとき発奮で終盤おおいに盛り上げる。潮崎の新技はちょ〜っと無理があるかな。すぐ後ろの席で「豪く〜ん」とすごい歓声が。

バイソン&ヒーロー&フィッシュvs.力皇&斉藤&マルビ

しきりにバイソンにちょっかいを出すマルビン、無駄な動きで笑いを取るヒーロー、迫力のある肉弾戦を展開するバイソンと力皇と、飽きさせない試合。

田上&丸藤vs.高山&佐野

ああ田上が……。

ムシキング・テリーvs.ロメロ

ロメロのセンスはすごい。先手を取るよりも受けに回って隙を伺うのが得策だがアイドル・テリーにそれは許されない。結果、ロメロのワンサイドとなりメリハリを欠く攻防に。テリーが勝ったという気がしない。

ダグ・ウィリアムスvs.小川良成

ここ1〜2年の小川は好コンディションは維持しているものの上昇志向が感じられず、あまりいい印象がない。同タイプとの対戦ではペースを握られつつも押し切るというパターンが多かったが、ダグになんとか風穴を空けてほしかった。でも小川が勝ちそうだな、ダグ勝たないかな、でも小川が勝ちそうだな……。
ダグ勝っちゃいました。場外でのジャンピング・ニーの誤爆あたりから雲行きが怪しくなったがジャーマン、腕固めからの回転十字固めでカウント3、ブラボー。今度はバイソンとGHCタッグ挑戦かな。
空気がだれたという評判のようだが私は気にならなかった。

秋山vs.ヨネ

長めの試合が続いた後とあっては秋山の秒殺に期待しないわけには行くまい。が、ヨネの奇襲で花道でダウン。立ち上がってリングに向かう秋山の鬼気迫るたたずまい。表情が見えるわけでもないのに役者だ。
ゴング後もヨネのハイキックやキン肉バスターで追い込まれるも、終わってみれば秒殺完遂。さすが。ヨネは武道館のシングルだけはいつも内容がいい。

三沢vs.杉浦

序盤は何をしてもビクともしない三沢。どうせいっちゅうんじゃ。
それでも中盤以降アンクルホールドなどでかなり追い込む杉浦。ゾンビ&鬼三沢を引き出したのだからあっぱれ。最後はマウントエルボーをやめない三沢にレフェリーたまらずゴングを要請。杉浦が三沢をああまでさせたのは、中盤の「エロ社長!」と叫んでの蹴りが逆鱗に触れたからにちがいない。
途中、杉浦の雪崩式スラムをグランド・ヘッドロックで返したのがよかった。一方、2種類のエメラルド・フロウジョンはいずれも形が崩れてしまった。
凄惨なラストはインパクト満点だがお子様には見せたくないザマス。すぐ前に8歳くらいの女の子がいたが最後のエルボー乱打は三沢の背に隠れてよく見えなかった模様。

森嶋vs.KENTA

前回の武道館メインでは本来の力を出せなかった森嶋には、二の轍は踏むまいという思いがあったのだろう、今回は本領発揮。重い森嶋を完璧に投げるKENTAもすごい。やっぱり森嶋のパートナーはヨネよりKENTAか三沢がいいな。


カード発表時はマニア層にブースカ言われていたが凡戦が殆どなかった。純粋に内容がよかったという点では一見さんにも優しい興行。お見事でございます。