削除依頼か裁判か

しばらく2ちゃんねる関連の記事を漁っていなかったが、こんなの発見。
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMITzx000022082007&cp=1
著作権侵害の問題が浮上すると知っていながら「外圧がなければ対応しません」という姿勢。このあたりは相変わらず。
そして、めっきり情報が止まっていた訴訟の話題。

――今年はじめに2ちゃんねるドメイン名が差し押さえられるといった報道がありましたが
 結局何も起きていませんね。家財も差し押さえられていません。
――裁判にきちんと対応していないと言われていますが
 判決で書き込みを削除せよと言われて削除要請が来ればきちんと対応していますよ。ただ、僕を訴えて勝訴した人でも、その後に本当に削除しろと言ってくる人は少ないんです。裁判の本当の目的は何なのかと思ってしまいます。書き込みで本当に困っている人は通常のルートで削除依頼できる手段がありますから。
 何も僕を訴えなくても、削除依頼をして7日間以内に反論がなければ削除することになっています。こういった依頼は1日1−2件ほどありますが、このルールに沿ってちゃんと対応しています。なので、実際の被害はないと、僕は考えています。

要するに「ひろゆきが気に食わないから訴えてやろう、潰してやろう」というのが訴訟の動機だと言いたいのだろうけど、それは違うんじゃないか。それもあるかも知れないが、それだけとは思わない。
掲示板で中傷を受けたとする。それは「削除」されたからといってその精神的苦痛が消えるわけじゃない。むしろ司法によって「違法である」という判断を下してもらう、つまり「社会的に認められない」というお墨付きを得ることの方が、その人にとっては重要だったということだろう。言い換えれば、削除という処置よりも、書き込みが不当であるという証明がほしかったということだ。
繰り返すが、削除されたからといって苦痛は消えない。それを「削除依頼がない=被害はない」なぞ、ことを矮小化するにもほどがある。