2chの実質的な運営者は西村氏であるという前提で語ったが、ひとつ腑に落ちない点がある。
それは、ここ数年の2chの動きには西村氏の真骨頂ともいうべき「面の皮の厚さ」が見られないということ。
「完全匿名掲示板」を標榜していた頃は「2ちゃんねるの全責任は、管理人たる西村博之が負います」と明記していた。警察からのIP開示要求にも応じないという徹底ぶりだった。しかし谷澤訴訟で「それじゃアンタが賠償しなさい」と賠償命令が下されたのを機に方針転換した。
以後、西村氏を標的にした訴訟が増え、敗訴を重ねて行く。その時に彼のとった手段は「賠償金を支払わない」。賠償金不払いを罰する法律は存在しないのだ。
請求側には「私財差し押さえ」という手段があるが、西村氏の私財は殆ど見付からないという。結局、勝訴した人が得たのは勝者の称号だけ。
さて私はこの「私財が見付からない」というあたりから西村氏のキャラに「かげり」を感じる。稼ぎを殆どどこかへ寄付しているというのでもない限りは、確実に「隠してる」わけだ。こうした昔ながらのこすっからさは、時代の寵児ともてはやされた人物としては物足りない。
そして2009年のPACKET MONSTER社への「譲渡」、更には最近の捜査でわかった「2chサーバーは米国と中南米を転々としている」という事実。
隠す、逃げる、ごまかすといった最近の手口に、法の裁きさえも平然と受け流していたかつての面影は見られない。
そこにひろゆきはもういない?
こうなると、2chの運営者は本当に別の人になっているのではないかとも思えて来る。西村氏がありきたりの悪党に変貌したのでなければの話だが。
つまり、聡明な西村氏は、2chを法の網をくぐり抜けて運営し続けることに早くから限界を感じ、「飽きた」というよりもビジネスとして見切りを付け、何者かに譲渡した。
一方、譲渡された側は、「ひろゆき」が2chの顔であることを重視し、世間には「実はまだひろゆきが運営しているのでは」と思わせようとし、また一方では摘発を避けて右往左往。
てなことだとしたら、近い将来2ch関係者がガンガン摘発されても、西村氏は渦の外。
まさかね。