前座雑感
新人達は皆悪くない動きをしていた。私の抱くプロレスラーのイメージに比べ筋肉質に過ぎるのが気になったがよく練習しているのは間違いない。
力皇、森嶋は安心して見ていられるようになった。以前のように考えすぎて空回りという印象を受けない。森嶋の側転はどうかと思うが。いや、面白かったけど。最後はキースを三人がかりで仕留めてしまったが、力皇や森嶋との一対一の絡みをもっと見たかった。
三沢&小川vs.鈴木&SUWA
三沢とみのるの絡みは前回より面白かった。熱血天然の小橋とも違う、策士秋山とも違う、海千山千の三沢はみのるにとって最もやりにくい相手かも知れない。今回は三沢してやったり。欲を言えばみのると小川との絡みをもっと見たかった。シングル戦でもやらんかな。
小橋vs.丸藤
一泡吹かせるといったレベルでなく、明らかに勝ちに行っている丸藤。そのためにどうするかを本当によく考えている。オースイ・スープレックスっていいな。あのニュルニュルっていう動きが。
何年か前、本で「小橋にはサムシング(閃きのようなもの)が欠けている」というようなことを三沢が言っているのを読んで、大きく頷いたことがある。雪崩式不知火をハーフネルソン・スープレックスで返したり、パーフェクト・スモールパッケージ・ホールドをラリアットで潰したりといった場面に、今更ながら小橋の進化の跡を見た。
KENTAvs.石森太二
石森太二という名前は石狩太一のもじりかとばかり思っていたら本名らしい。去年全日で見て運動神経に度肝を抜かれたのを憶えている。
当たり障りのない好試合という予想がいい意味で裏切られた。私の嫌いな小じゃれた技にKENTAが一切付き合わない。
レスラー達が数々の空中殺法を生み出しはしても初代タイガーの衝撃を超えられないのは、レスラー間の馴れ合い(約束事)があって初めて成り立つような説得力を欠く技ばかりだからだろう。
スーパースターエルボーなる石森の代名詞的技もかわすKENTA。それでいい。素人に突っ込まれるような技受けてちゃダメよ。
秋山vs.井上
メイン級の盛り上がりを見せた第7、第8試合(は今いちとの声もあるが)の後の雅央。さあどうする。
コミカルな絡みで観客をコントロールし、最後は厳しい攻めで締める。恐らく三沢にも小橋にもできない、秋山ならではの曲芸。さすが。
所見
客入りは7割程度だろうか。しかしハズレ試合のない充実の興行。満足度は高い。