9.18プロレスリング・ノア in 日本武道館

1. ○本田多聞 − ●志賀賢太郎

2年8ヶ月ぶりの復帰戦となる志賀は地蔵の仮装、じゃなかったスキンヘッド&黒のロングタイツで登場。体に厚みが増しているように見える。
ものの5分で息が上がって褒められた内容ではなかったが、第一ハードルをクリアしたということでよしとしよう。
観る側としては体への心配が先に立ってしまう。「もう大丈夫」と安心させてくれるような試合をこれから見せてほしいと思う。事故もなく復帰戦を終えてまずはめでたし。

2. ○川畑、百田 − 泉田、●永源

川畑と泉田の動きがモタモタと締まりがなくていけません。

3. ○井上、菊地、ジョーカー − スコーピオ、●エディ、テリー

身軽な選手が多く、目を引く動きは随所に見られるが、攻防の流れがなんだかドタバタバラバラでテーマの見えにくい試合だった。

4. 小川、橋、●潮崎 − ○斎藤、越中、杉浦

橋が越中を挑発して受ける。が、ヨネ戦の疲れでもあるのか、ひとつひとつの技に的確さ力強さが感じられなかった。
小川と越中シングルマッチが見てみたい気がする。
潮崎は順調に育っているのではないかな。

5. ○森嶋猛 − ●金丸義信

まあ面白かったけど、森嶋がやたらとしんどそうに動く。表情も冴えない。コンディションが相当悪そうだ。

6. ○鈴木みのる − ●モハメド・ヨネ

ヨネという選手に対して、どうも私は「この程度」と決めてかかって見てしまっており、感情移入できずにいる。私の思う「この程度」を上回る試合内容ではあった。鈴木はキン肉バスター返しを前もって考えていたにちがいない。
鈴木は誰とタッグを組むのだろう。船木か?

7. ○KENTA − ●SUWA

SUWAがヒールを演じることを一義にした時点で勝負論としての関心は消えた。茶番。

8. 小橋建太、○田上明天龍源一郎、●秋山準

評判は「田上爆発」で持ち切りだが、私が嬉しかったのは、選手の体を心配することなくただただ興奮させられたこと。私にとっての「面白いプロレス」とはこういうものなのだ。
秋山が田上にやられるのは問題じゃないかと思わないでもない。試合の流れに気を使いすぎたのだろうか。

9. ○力皇猛 − ●三沢光晴

三沢はコンディションの悪さは仕方ないとしても、勝負への執念が殆ど感じられなかったのが残念。今回の敗戦に悔しさを感じていてくれればリバイバルへの期待もできるというものだが。
一方の力皇、私の注目は「エルボーに怯まず渡り合えるか」。三沢と五分に打ち合えるのは小橋、秋山、天龍、高山くらい。力皇はその域までは達していなかったものの、食らいつく姿勢はこれまでで一番だったのではないか。棚橋戦でも感じたが、今の力皇は小橋とのGHC戦の時と違って、攻め込まれても情けない顔を見せなくなった。
ちゃんと頭を使って攻めていたのもいい。張り手とラリアットを除けば殆どの攻撃は腰狙い。決め技の無双がそういう技であるし、三沢は腰が悪い。苦し紛れにも見えたショルダータックルも確実に腰にダメージを与えていた。豪快でしかも理にかなっているのだから一石二鳥である。
試合には不満足だが力皇の成長ぶりには満足。精彩を欠いていたとはいえ三沢を破った自信は大きい。試合内容は右肩上がりになることだろう。

(追記)

力皇はまだ人のよさが悪い方向に働いてしまっているように見える。ダーティーになれとは言わないが厳しさがもっとあっていいと思う。「いいヒトの厳しい攻め」なら小橋という格好の見本があるのだし、やってやれないことはない。