一億総正義の味方

誰それが生活保護費の不正受給だと言えば非難轟々。
いじめ問題が報道されれば犯人捜しと私的「制裁」。
君が代、刺青にまつわる公務員批判。
皆さん正義感がお強いこと。


「この人がいじめっ子の親ですよ」と誤った情報がネットで広まり、電話抗議やら脅迫状やらに苦しめられている人がいるという。罪なき人を痛め付けて面白がる卑劣極まるいじめっ子達に強い憤りをお持ちの方々なら、やはり罪なき人を痛め付けてしまったことへの自責の念はさぞかしお強いことでしょう。もちろん濡れ衣を着せられた人には平身低頭謝ったんだろうな、おい。


遡れば、年金不払い者への非難。
イラク日本人人質事件で拘束された3人への非難(当時の小泉首相が記者からの伝聞に過ぎない話に非難の言葉を発してバッシングに拍車をかけた)。
逃げ道を失った人への世間の攻撃には容赦がない。


正義の怒りは、人を痛めつけて楽しむには恰好の口実。
こうした人間の心理を、時には意図的に、時には無自覚に利用して支持を集めて来たのが橋下徹。人々の琴線に触れたのは、彼の「正しさ」などではなく、その裏に潜む原始的な人間の習性にすぎない。
「無駄に人を叩く人の多さと、橋下徹を支持する人の多さは比例する。」
そんな世の中に戦慄せずにはいられない。