読書メモ

突如吉川英治「新・水滸伝」。
新・水滸伝(一) (吉川英治歴史時代文庫)新・水滸伝(二) (吉川英治歴史時代文庫)新・水滸伝(三) (吉川英治歴史時代文庫)新・水滸伝(四) (吉川英治歴史時代文庫)
面白い。
結構ひどい連中が梁山泊に集まってくのがなんだか可笑しい。殺そうとしておいて相手の名前を知るやひれ伏して仲間になったり。いいのか、それで。
しかしこれだけ登場人物が多いと、人物の掘り下げが物足りなくもある。特定の人物に焦点を当てたオリジナル小説も結構あるんじゃないかな。宋江なんか登場した時から国中で慕われてて、でもそうなるまでの経緯の説明は殆どないの。
それに、あれだけの大所帯になれば犯罪やしがらみも相当出て当然だが、物語中ではあくまで秩序ある理想の集団として描かれるあたり、読んでいて乗り切れなかった。もっともそういうところまで描写したらまるで別の話になってしまうが。
「新・水滸伝」は吉川英治の遺作にして未完。こうなると完訳版も読みたいところだがちょっと高い。横山光輝版も高校時代に読んだが、これもだいぶはしょられていた。