横山秀夫「クライマーズ・ハイ」

6月に観た映画の原作小説を読む。映画でわかりにくかった人物相関や時系列もばっちりだ。

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

映画の感想はこっち。
http://d.hatena.ne.jp/higeweb/20080624
映画では主人公が「男の中の男!」といったイメージが強かったが、原作ではそうした面と同時に幼少からの鬱屈も克明に描かれ、熱血一辺倒のキャラクターになっていない。むしろ今なら「ボーダー」と呼ばれるような、心細さを抱えて生きている人。
それでいて読み手を陰鬱にさせない。エンターテイメントと言っては語弊があるが、面白く読める本。うん、面白かった。