第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞
第9回手塚治虫文化賞新生賞
- 作者: こうの史代
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2004/10/12
- メディア: コミック
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一方、表情の描写に惹かれるのは山岸凉子、西原理恵子、やまだ紫。こうの史代もこちらの枠に属する。いわゆる「激情」とは違う心の揺れを捉えた表情にハッとなる。(過剰な描写もまた苦手なのである。ここに挙げた作家達の作風は皆抑制が利いている。)
はじめ、えらいセンチな絵だと思いながら読んでいたのが、読み終えた時はこの漫画にはこの絵しかあり得ないように思えた。不思議。コマ運びの巧みさは1ページ目から際立っている。うまい。
ほんわかした画風、ほんわかした語り口、しかし語られる話は、登場人物の思いは……マイリマシタ。マイリマシタと言ったものの、後半はやや自分の中でサラッと流れてしまった感がある。明らかに、どう見ても大事な場面で「え〜、これ、何を言おうとしてるんでしょうか」とか。間を空けてまた読んでみようっと。