今江祥智講演 in 東京クレヨンハウス

当日券の整理番号11番。その割に入場した時点で席はだいぶ埋まっていた。殆どが熱心な通年会員のようだ。
今回は珍しく古典の翻訳をプッシュ。「オズの魔法使い」(江國香織・訳)と「不思議の国のアリス」(石井睦美・訳)。
http://www.blg.co.jp/blp/


興味深かったのは手塚治虫とのやり取り。
「アイデアはいくらでもある。よかったら童話のアイデアあげるよ。」と短編7つのアイデアをくれた。
ところが、それを元に書こうとすると書けない。つまり漫画なら10ページ程度の短編でも、文章にすると100枚は書かねばならず短編にならない。省略の利く漫画と、そうでない童話の違いを痛感したという。


昨年は90分喋り通しがしんどそうだったが、今年はそれを感じさせなかった。途中で座ることもなかったし、表情も穏やかさを取り戻していた。ただ声の通りが今ひとつで、途中でスタッフがマイクを調整していた。いや、原因はマイクだったのかも知れないが。
加えて私はあまり耳がよくないらしく(聴覚検査で引っ掛かるほどじゃないけど)、聞き取れないことが多かった。周りはゲラゲラ笑ってる場面で、えっナニナニ?とキョトンとすること数回。ひょっとして衰えたのは私の耳の方か?
今年は質問コーナーなし。クレヨンハウスでは例年そうだけど。


講演後のサイン会。「お勘定!」という300部限定の本を購入(クレヨンハウスとメリーゴーランドでしか買えないらしい)。
帰りの電車で少し読む。童話作家として名高い今江氏だが、大人同士の交流を書かせても天下一品だ。
あ〜この本ほしい人いますか。何かのついでに買えたら買っときます。2,940円。


御年76歳。ちょうど2ヶ月後には喜寿を迎える。今日は杖をついていた。