松田美緒デビューコンサート in 草月ホール

編成は7弦ギター、バンドリン、ギター、パーカッションがメイン。ゲストにアコーディオンとハーモニカ。
第1部はポルトガルのファド。プログラムの半分を費やすあたり、心境の変化があったのかしら? 時広真吾という衣装デザイナーが手がけたという衣装がまた見事だった。http://www.worldtimes.co.jp/gallery/tokihiro/ 青くて白くてああでこうで――。想像できますか?できませんね。
ホールで初めて唄う(正確には1週間前のバナナホールと合わせて2度目)割には緊張した様子は見えず。7ヶ月前にクリスティーナ・ブランコのライブ(広めのライブハウス)の前座で唄った時とは大違い。それでも喋りが妙にかしこまって聞こえたのは、緊張のせいなのか、それともホールという場所を計算してのことなのか。
松田さんが2曲目の紹介をしようと喋り出すのと同時に伴奏が始まってしまうという小さなハプニングを除けば滞りなく進む。唄も伴奏もツボにはまり出したのは第2部の2曲目(Atlantica)あたりだろうか。伴奏者にブラジル人やブラジル音楽専門の人が多いせいもあるのかも知れない。
松田さんの喋りは徐々に軽快さとボケを発揮し、中盤の器楽曲もよいアクセントとなって(間延びすることが多いんだよね、ああいうの)いい具合に盛り上がって最後は「Saiko」。日本語の「最高」が、ポルトガル語圏のカーボ・ヴェルデ(大西洋上の小群島国家)に伝わってできた曲。彼女のためにできたような、というのは言いすぎかも知れないが、生涯の看板曲になるのではないだろうか。年を取ってから唄うのきついだろうな。
会場、伴奏者の顔合わせと、初めてずくめの状況だったが満足のひと時。それでいて、今後の進化の余地も充分に感じさせる。彼女のライブの後はいつもそうだが、初めて聴いたらしい人達が褒めている声を必ず耳にする。「成功」と言っていいと思う。
客席も8割は埋まってたかな? 2階席は見えなかったけど。