このところむかーしのアニメを観る機会が多くなっている。
太陽の牙ダグラム
プラモデルか何かで知ったアニメ。テレビ放映は普段観られない時間帯だったせいか、子供の頃は途中たった1話観たきりで、ストーリーもなにもわからずそれっきり。
「タイトルしか知らない有名アニメ」というのは結構あり、ダグラムもどんな物語かくらいは知りたくて、最初の数回と最後の数回程度だけのつもりで観始めた。ところがこれが面白く、総集編を除くほぼ全話を観てしまった。
ガンダムが1979年、ガンプラブームが1981年以降。ダグラムは1981年末から。
ガンダムも好きだけれど、作者の異様なテンションで押し切っちゃった妙な作品ですな、あれは。
一方ダグラムは、より足が地に着いた緻密な作品。差別構造への不満から植民星が起こした独立戦争。地球連邦の長は、全体主義的な冷酷さを見せつつも人類の行く末を心から案じる、かつての自民党のマシな部類の宰相を思わせる人物。植民星側での強硬派と融和派の対立は視聴者を苛立たせ、有能なブレーンの引き抜きという三国志さながらの駆け引きも面白い。
充分に今日性のある物語だが、放映当時小学生はおろか中学生にもこうした葛藤を理解できたかどうか。
高視聴率を維持していたようで、全75話を数える。尚、第1話はパイロットフィルムのような位置付けで、物語中盤以降を描いているかのように見せているが本編との繋がりはない。
六神合体ゴッドマーズ
これは初回放映時にほぼ全話観ており、「あれはどうなったんだっけ」というのを確認したかっただけ。
特別好きだったわけではないが、ビームやメカの描写が妙にかっこよかったのが印象に残っている。ガイヤー(ロボット)の造形も独特で神秘的(飛行姿勢がヘン)。でも合体後はダサい。(毎回終盤の戦闘のとって付けたような描写はかなりロコツ。まあオモチャの販売という事情があったということで。)
物語序盤は、地球防衛軍の連中(なぜかガキばっかり)が宇宙人である主人公タケルを受け入れるかどうかが軸になっている。これが「異質な存在を受け入れるか」という話なら充分に今日性があると言えるが、これは「タケルが死ぬと地球が滅びる」という現実に当てはめることのできない設定があるので、物語としての奥行きはなし。結局は「タケルがいないと却って地球が危ない」という現実的な判断でもってタケルは地球に留まることになる。タケルを罵倒していた連中ともなにごともなかったかのように和解。ダメだこりゃ。
マーグがああなってこうなってそうなるのがまだ物語の中盤だったことに驚く。そっから先はまるで憶えてないが確かめるのも面倒になって来た。