同人ソフトで遊ぶ

MSXマガジン収録の「13怪談」なる同人ソフト。ゲームではなく、ただスペースキーを押して行くと物語が進んで行くという紙芝居みたいなの。絵はあまり多くなく、文字・文字・文字。ノベルウェアというらしい。

MSX MAGAZINE永久保存版3

MSX MAGAZINE永久保存版3

タイトル通り13の怪談が語られると思ってくだせえ(厳密には違うけどとりあえず)。
内容的には、まあ同人ですからねえ、というレベル。文章は下手だし、てにをはや慣用表現もいい加減で、読んでいて結構恥ずかしい。それでも読み出したからには結末も知りたくて、どうせスペースキーを押すだけさ、と毎日少しずつ読み進めていた。
で、尻上がりに面白く……ならないんだ、これが。むしろその逆。後半は怪談というよりも人生論、宗教論の羅列で、果ては露骨に「僕」へのお説教に。なるほど、制作者はこれがやりたかったわけだ。物語の中で語る必然性はおよそ感じられず、性急に、ヒステリックに、そして定まらぬ論旨で延々と語る。作家志望のワカモノの書く小説にありがちなパターン。
この作者は自分の考えを「聞いてもらえない」ことが多いのだろう、作中でも「人の意見にはまず耳を傾けなさい、その上で批判しなさい」というようなことを登場人物に語らせるというみっともないことをしてる。
同じ作者の別の(もっと新しい)ホラーソフトも見てみたが、やっぱり文が下手だし日本語もヘンだ。説教モードにならなかっただけましだけど、いずれにせよ、おもろなかった。