ゼミのOB会なのだ。

ここ数年、2人以上で飲んで楽しくなかったことは殆んどない。そりゃまあ、会いたくない人とわざわざ飲みには行きませんから。
さて今宵はちょっと変わり種。大学のゼミのOB会。私の大学時代の交友関係はこんな感じ。
1年:サークルに入るも、半年足らずでケンカ別れ同然で抜ける。
2年:図書館暮らし。
3年:ゼミで韓国人留学生「李」氏と意気投合。その友人(日本人)と3人でつるむ。
4年:李氏は卒業と同時に帰国。日本人の友人は在学中に病死。
その後名簿を紛失し、卒業以来音信不通。
ゼミでは上級生や下級生との交流は殆んどなかった。10年近く前に全学年のOB会があったが、上級生への印象は一部を除きよくなかった(もしくは一部上級生の悪印象が記憶の大部分を占めている)。上級生のひとりと特にそりが合わず2次会(3次会だったか?)で人知れず火花を散らし、それを察した別の上級生がとりなす一幕もあった。
さてそんなOB会に出席。ゼミの教授(当時は助教授)は好きだったのだ。偉い大学を出て偉い職歴を経て偉い賞をもらったりしている。授業のわかりやすさは学内屈指。生徒間の人気も高く、この教授を嫌っていたゼミ生はひとりもいなかったのではなかろか。
お、Amazonに著書が。レビューでは2人褒めて1人貶している。「本で儲かったのは初めてだ」とは教授の弁。そういうものらしい。

日本の経済―歴史・現状・論点 (中公新書)

日本の経済―歴史・現状・論点 (中公新書)

さてOB会である。いかなセンパイ達に遭遇したか。
幸先よく左隣のマダムと意気投合。何期か尋ねて「3年違いですね」と言うと、こっちが3年上と勘違いされた。ちがいます。
同期の2人は私に気付いていながら別のテーブルに座る。まあそんなものか。
右隣のセンパイ。一次会終盤に、私の注文した酒がなかなか来ない。「2度頼んだのにまだ来ませんね」と言ったら「別に責めることないじゃんねえ」と、なぜか私ではなく私の正面の人に向かって反駁。別に責めてない&なぜ俺に向って言わん。
後で思い出す。10年ほど前のOB会で、会話の内容から「学者さんですか」と尋ねたら「僕、学者って言い方好きじゃないんです」と自意識過剰な返事をしたやつだ。こっちは別に「学者」だから偉いなんて思っちゃいねえ。
一次会終了間際に、10年ほど前に軽い諍い(とも言えないくらい小さなもの)のあったセンパイ登場。当時それをとりなした人(斜め前にいた)に「あんなことありましたね」と話したら、向こうも憶えていた。
一次会の後、店の外で同期の女性2人に話しかけられる。が、すぐ面倒になってこちらから離れる。まあそんなものか。うち一人には大学時代一目置いていた部分はあるのだが、なにぶん無口な人で、ろくに口を聞いた記憶もない(今は通訳をしているらしい。やはりただものじゃない)。
二次会。なんとなくセンパイだらけのテーブルに。このテーブルがもう、オヤジ爆発。おしぼりで顔を拭くとか、そんなのとはわけが違う(それもしてたけど)。世間で忌み嫌われているふるまいを、本当に無自覚にやっている正真正銘の「オヤジ」達。全員じゃないけどね。
たとえば最初私を自分に近い年齢と思っており、実は7期下とわかるや、ろれつの回らぬ舌で「○○歳なんてまだまだ若造よ」と肩をポンポン叩く。ジョークではなく、序列を作りたいという意識ありあり。完璧に終わってます。同じギャグを繰り返すなど、オヤジの王道にたいがいうんざりしてテーブルを移った。
4期下の、カウンセラーをしているという男性の隣に座り、精神疾患についてあれこれ聞いてみた。まだ駆け出しだそうだが純朴で好感の持てる人。名刺をもらった。
偶然にも、正面にいたのは先のマダム。彼女がカウンセラー氏に「刀で刺される夢を見たのだけど吉夢って本当?」と聞くと、隣のオヤジが「俺の名刀正宗で刺してあげようか」。下ネタ一切よせとは言わないが、こいつのは本音だから最悪。マダムは、そいつと同期ということもあってか不快がる様子も見せず受け流していたが。
そのオヤジが結婚の経緯を披露。なんでも長く付き合っていた相手だったが自分としては結婚する気がなく、結婚せざるを得ない状況に誘導されて今に至ったと。「私達いつ結婚するの?」と聞かれ、その場しのぎで「来年あたり」と答えた人間のクズ。しかも、曲がりなりにも十数年連れ添った相手の恥を酒の肴に暴露するのだからクズの二乗。子供は2人いるらしい。
教授は好き。ゼミ生(の一部?)は嫌い。それを再認識した10年ぶりの再会であったことよ。もちろんマダムとは連絡先を交換して再会を約しましたよ。教授も誘って口直しだな。