久しぶりの読書。実は重松清やらやまだ紫やら何冊か読んでいたがレポートをさぼっていた。まあそのうち。
- 作者: 上野瞭
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 1985/06
- メディア: 単行本
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今江祥智の盟友、上野瞭(1928-2002)。この作家の長編を読むのは「ひげよさらば」に続いて2作目。
面白い。それにしても登場人物に降りかかる不幸、災厄を容赦なく書く人だ。
印象に残った一節。
草八もみつも、草庵先生を愛していないわけではなかった。親と呼ばれる多くの大人がそうであるように、わが子である草庵先生のことを、二人は何よりも気にかけていた。しかし、それは、草庵先生の気持を汲みあげた愛し方ではなく、親の思いどおりに草庵先生を育てたい、そうすることが子どもには一番いいのだという愛し方だった。草八とみつが、特別そうだったというのではない。親というものは、多かれ少なかれ、草八やみつと変わらない愛し方を、それこそ最上のものと考えている。草介の草庵先生には、それが苦痛だった。
うちがそうだったっていうんじゃないけど、子育てに気負ってコケる親って多いよな。むしろ何も考えてない親に育てられたやつの方が上手に楽に、そして結構幸せに生きていたりするものなのかも知れない。