ゲド戦記

ピチピチギャルからもらったタダ券で仕事サボって観に行った。散々な評判だが一応観ておこうかと。
出だしはなかなか引き込まれる。セリフも締まりがあっていい。Yahoo動画で「るろうに剣心」のだぶついたセリフに辟易した後だけに尚更脚本のよさを感じた。(「るろうに剣心」は「追憶編」というOVAがめっぽう面白いがテレビ版は数段落ちる。)
さてどの辺からつまらなくなるのかな、とあくまでつまらなくなる前提で観る。観始めて30分足らずでおしっこしたくなった。関係ないか。


あの、面白かったです。最後まで。これみんなつまらなかった? 本当に?
原作が好きという人には殊に不評だったようだけど、私は原作知らないしなあ。話が平坦でメリハリがないなんて評価もあったけど、間延びを感じた箇所はまったくなかった。
ただ、多くの人が指摘する「テーマをセリフで一気に言わせるな」はわからなくもない。アレンが農作業を手伝う場面なんてのもあって辻褄としては合っているが、それでも唐突な印象はあった。
それからあの龍は要するになんだったのかと、ここが肝心なところなのだろうけどワカリマセンでした。「もののけ姫」や「ハウルの動く城」でも感じたけれど、2時間程度の映画に収めるには無理のある物語ではあるのかも。でもこの2作ほど難解ではない。


観る前は、デビュー作にいきなり長編アニメ作らせてまともなものができるわけないと思っていたが、この出来映えは捨てたもんじゃない。宮崎吾朗監督って実はただの飾りでキャリアのある人が仕切っていたんじゃないか、なんて勘繰ってしまったほど。
ところで声優にはあまり興味がない(というより造詣がない)がクモの田中裕子は妖艶な凄みがあって実によかった。エボシ役では今ひとつさえなかったが、今回の存在感はすごかった。
原案:シュナの旅 って本持ってるけど……主人公の生い立ちと奴隷の描写以外はこれといって共通点はないような。


そうそう、BGMがケルト風だなと思い、カルロス・ヌニェスという唯一知っているケルト演奏家を思い出していたら、まさにヌニェスの演奏だった。ああビックリした。マドレデウステレーザ・サルゲイロもCDで共演しているのだぞ。