安倍さんが何をしたいかはおいといて

安倍政権への批判に対して、「安倍さんはそんなことがしたいわけではない」式の反論が時々目に留まる。
たとえば児童ポルノ禁止改正法。基準の曖昧さゆえ、「別件逮捕などによる弾圧に利用“できてしまう”」と危険性が指摘された。それに対する安倍シンパの言い分。「安倍さんは弾圧が“したいわけではない”。子供を守るための法律だと言っているのだから大丈夫。」
たとえば安保法制。「これが施行されれば世界中どこででも戦争が“できてしまう”」という指摘に対する安倍シンパの言い分。「安倍さんは戦争が“したいわけではない”。国民を守るための法律だと言っているのだから大丈夫。」
これは反論としてまるっきり意味をなしていない。
その点、7月30日の井上哲士氏の言葉は当たり前であり、かつ重要だ。「総理が(海外派兵はホルムズ海峡の対応しか)念頭にないと言われますけども、総理の頭の中は私はどうでもいいんですよ。法律にどう定められているかなんですよ。」
つまり、平和をこよなく愛する安倍さんが首相である間は何の問題も起きなくても、戦争大好き殺戮大好きな誰かが首相になりでもしたら、安保法制の下では世界を股にかけてドンパチし放題になってしまう。そんなアブない法律作っちゃダメでしょという話。
児童ポルノ禁止改正法の問題もそう。自由と民主主義を愛する安倍さんが首相の間はよくても、董卓みたいなのが首相になったらタイヘンなことになっちまう。
そこんところを、安倍さんは「わかっていない」か、または「わかっていないふり」をしているんですな。「頭の中」のことですので、どちらなのかは知りようがないのでありますが。
追記 同じこと言ってら。

日本学術会議前会長で、専修大学教授の廣渡清吾氏は「安保関連法案は、日本を戦争ができる国にするものだ」と強調。「もし、安倍首相が本心から『戦争に巻き込まれることはない』と言っているのなら、法案を理解できていないバカだといえる。もし、国民の目をごまかそうとしているなら、嘘つきということになる」と述べた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150731-00003483-bengocom-soci&pos=2