コブラ/寺沢武一
- 作者: 寺沢武一
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2005/08/23
- メディア: コミック
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「コブラ」というタイトルの由来ってなんなんでしょ。サイコガンの形がコブラみたいだから、とか。でもサイコガンをくっつける前もそう呼ばれていたとしたら関係ないな。
非常に密度の高い作品だとは思うが、個人的には強烈に引き込まれることはなかった。こういう「絵が止まって見える」作風が苦手なんだなあ。
そのままポスターにしたくなるくらいに構図が決まっている(死語?)、でも流れを明らかに殺している、そういうコマが多い。
物語そのものは意外に古めかしい。「神に選ばれた6人の戦士を探す旅に出る」とか。ヒーロー物はそれでいいのか。
あした天気になあれ/ちばてつや
- 作者: ちばてつや
- 出版社/メーカー: ホーム社
- 発売日: 1995/08
- メディア: コミック
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なんと11年も連載したらしい。
物語はというと、主人公「向太陽」のゴルフとの出会いだとか、師匠との出会いだとか、人としての成長だとか、汝なにゆえゴルフするといった小難しいテーマ一切抜き。ひたすら試合、試合、試合。しかも序盤は同級生のゴルフの腕をバカにしたり、嫌味な発言でライバルを挑発したりと結構嫌なやつ(途中から「お人よしの甘ちゃん」になっている)。
とどのつまりは、作者はゴルフそのものの面白さだけを書きたかったのだろう。実際その通りの面白さがこの漫画にはある。
人間ドラマとして読むとかなり適当。あれよあれよとプロになり、国内の大会で立て続けに優勝。と、そこまではいいとしても、その後深刻なスランプに陥った(その描写わずか数ページ)かと思えば次は全英オープン。飛びすぎじゃい! 中盤のライバル「日吉」あたりとは数々の交流や対決があるかと思ったら、終盤はまるで出番なし。大田黒はただの「嫌なやつ」で終わっている。
「悪い人ではないけれど、若い主人公に精神的圧迫を与えがち」という先輩ゴルファーの描写はリアル。坂本とか佐伯とか安川とか。
この漫画はあくまで主人公のサクセスストーリー。いや、サクセスストーリーすらも、色んな大会を描くための道具でしかないのかも知れない。山あり谷ありの人間ドラマとして描いたなら、まるで別の作品になっていたことだろう。