松田美緒ライブ in 北青山(10/17)

正確には松田美緒 with ko-ko-ya(コーコーヤ)。7月の橋本でのライブと同じメンバーですな。
松田美緒(ボケ)、笹子重治(ギター)、江藤有希(突っ込み)、黒川紗恵子(クラリネット)、福和誠司(パーカッション)という編成。(松田美緒はボーカル、江藤有希はバイオリンも担当。)

1st、2nd共に、ko-ko-yaの器楽曲を数曲演奏した後に松田美緒登場という流れ。
ko-ko-yaのライブでは、曲目紹介等しゃべりは江藤有希が担当している。らしい。冒頭、なぜかバイオリンに顔を近づけて「こんばんは!」。マイクが足りないのでバイオリンに取り付けたマイクで代用だそうで。
曲目紹介を交えて2〜3曲演奏の後、松田美緒登場。彼女のトークは無敵です。何かひとこと言う度に共演者狼狽、客席から笑い。狙ってないのに必ずこうなります。
1stステージ終了後、共演者を振り返ってまた脈絡のないトーク。江藤さん、丁寧に相槌を打ちながら「アンタ何言ってんの?」の目で無言の突っ込み。ナイス。いつか背後から頭をはたく場面が見られるのではないかと楽しみである。


あ、演奏の話ですね、はいはいはい。
ko-ko-yaは、松田美緒との共演という形で何度か聴いたことがあるという程度だが、いつもながら水準の高さに驚かされる。ギターに乗って歌うバイオリンとクラリネットのコンビネーションが楽しい。「楽しい」って小学生の感想文かよ!
元々私はボーカル曲より器楽曲の方が好きだったりするのだが、そのくせどっぷりはまるのは決まってボーカル曲という変な傾向がある。たとえば松田美緒のCDを聴けば「あ、松田美緒だ」と簡単にわかるけれども、ホロヴィッツのCDを聴いて「あ、ホロヴィッツだ」とはまずわからない。誰それのギターは上手いと言われても、ああそうなのかとしか思わない。そうしたいい加減な耳では、なかなか器楽曲どっぷりとはなりにくい。
その点ko-ko-yaの音楽は明快で取っ付きやすい。東横沿線あたりならば、一度ワンマンライブにと思っていた。奇しくも来月アルベルト城間がライブを行うのと同じ店で、1月にko-ko-yaのライブがあるという。頭に入れておこう。代官山の「晴れたら空に豆まいて」という店。


そして松田美緒。この日は尻上がりに調子を上げた印象。手探り感こそなかったけれど、まだ経験の少ない編成ということで多少気負いがあったのかなと思う。乗ってしまってからは怖いものなしだったが。(追記:体調が最悪だったらしい。どうりで。)
印象に残ったのは、曲名は忘れたがペルー風ワルツ。バルス・ペルアノですな(valsって男性名詞だったのね)。
ペルー出身のアルベルト城間は、このペルー風ワルツを何曲か作っている。ちょっとディアマンテスを聴いている気分になってしまった。
そういえば、ディアマンテスのライブでは、ペルー風ワルツの時は2拍目3拍目に手拍子をさせる(しかもバスドラムでリードする)。これが私には耳障りで、手拍子なしがいいよ〜と思っていた(周りに賛同者はいなかったが)。ところがこの日は、2拍目3拍目の「裏拍」で手拍子をさせていたのですね。これはまったく違和感なかった。なんだよ裏拍にすればいいんじゃん。ディアマンテスもそうしてよ〜、とここで言っても仕方ないのだが。(津森久美子のファドライブでは、かつては4拍子の曲で裏拍で手拍子させていたが、バラバラになってしまうので、ある時期から表拍に切り替えている。打楽器がないファドでは、音楽の素養のない人に裏拍は難しいのだ。とリズム感ゼロの私は言う。)

女優デビュー

ちょっと自慢。昨年2月に私はこう書いている。

松田美緒という人は役者の才能もかなりあるんじゃないか。そういう方面からお呼びがかかるのもそう遠い日のことではないような気がする。

今月末より映画の撮影のためブラジルへ行くとのこと。役柄は「歌手」。
歌が歌えて、なおかつ演技の素質のありそうな人ということで白羽の矢が立ったのではないかと勝手に想像している(演技があるのかどうかは知らないけど)。
「多芸は無芸」という言葉もあるが、彼女の場合は「一芸に通ずる者はすべてに通ず」だな。