津森久美子ファドライブ in toki

西荻である。最寄り駅の名前は西荻窪だが住所は西荻である。いや、西荻北だったか。そんなことはさておいて、昼のライブである。満席。
ファド好きでもないと言っているやつがなぜたった1日空けてまた聴きに行くのか、なんて突っ込みはしないように。ファドこそわが魂。ファドこそわが心の糧。ということでひとまず納得しておくれ。
会場は「COFFEE & EAT INN toki」というカフェ。もともとライブは行っていなかったのが、今年4月に津森あかね(当時)を招いて初めて行われ、ことのほか好評で2度目の開催に至った次第。
前回は客の大部分がファドを聴くのが初めてだった。当然ながら聴き手にやや戸惑いが感じられ、演者にも反応、感触を確かめつつ押したり引いたりする様子が伺えた。
しかし今回はそうした手探り感が感じられず、演者が聴き手をグイグイ引っ張って行く感じ。聴き手の慣れ、演者のスキルアップなどがうまく重なったのだろうか。一昨日のぺてぃすこすでのライブに劣らぬ充実度であったのは嬉しい誤算。
ただ、正面のスクリーンに映画を無音で流し続けるという演出は疑問だ。ギタリストが「カヴァティナ」を弾くその向こうで役者がチュッチュしていたり、ファディスタが恋の唄を唄うその向こうで女が男に殺されかけたりしているのは、やはり考え物だと思うのだ。

ある偶然

会場のtokiは、映画のポスターなどの展示が売りのひとつ。それで、店に向かう電車の中でふと「カヴァティナ」(映画「ディアハンター」のテーマ曲。「カヴァティーナ」とも)を思い出した。聴きたい。聴きたいけど、私の記憶ではあれはギターが2台いる。ふざけて「カヴァティナ弾いて下さいよ〜」と言ってみようかと思ったがやめた。
ところがライブのセカンドステージ。第1曲がその「カヴァティナ」のギターソロ。アホな。
あまり詳しいことは聞かなかったが、アルペジオとメロディを別々に弾く方が、確かに音はきれいに出るらしい。本来はギターソロなのを、ジョン・ウィリアムスが録音にあたっては多重録音を採用したということだろうか。あるいはデュオ用とソロ用、両方の譜面があるのか。

ライブ後

うっかり会計せずに店を出ようとしてしまった。思わず出口で「会計してないじゃん!」と絶叫。店中に笑い声。恥ずかしかったです。食い逃げ未遂の加藤です。
ライブ後はすぐに店を出た。そう、この後はリングが私を待っている。今日の勝利をファディスタに捧げたい(意味不明)。