琉球チムドン楽団・横浜ライブ(11.22)

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ディアマンテスのリーダー(キーボード&アコーディオン)、ボブ石原(ボブジー)率いるポップスバンド。2003年に結成。
編成はチンドン太鼓、三線、サックス、チューバ、ドラム、ボーカルといったところだが曲により異なる。ボーカルは1人とは限らず、またギターが入ったりアコーディオンが入ったりする。7人組とのことだがこの日は6人(但し番外メンバー1人が加わっていた)。
ボブ石原氏とは5年ほど前に飲み会で言葉を交わしたことがある。喋りの達者な人でドカドカ笑いを取っていたのを憶えている。ディアマンテス脱退後は音楽活動だけでなく、元りんけんバンド藤木勇人と二人芝居なるものも行っていた。
「MCの面白いミュージシャン」というのは珍しくないが、チムドンでの喋りはそうした余技の域に留まらない。曲の中にコントを盛り込み、セカンドステージ冒頭では完全無欠のコントも。戦没者が主人公という重い話をコミカルに演じたもので、嫌味がなく染み入るコントに仕上がっていた。
一方音楽も「テキーラ」のパロディ「テキ(敵)ーダ」といったコミカルなもの(冒頭のインチキ臭いスペイン語に爆笑)から、「旅立ちの詩」のように音楽性で真っ向勝負の曲まで揃えている。
小堺一機が「ミュージカル仕立てのコント」というのをやっているが、チムドンはその逆。言ってみれば、作詞・作曲・編曲・唄・演奏・芝居・お笑いといったボブ石原の芸を総動員しての舞台表現。アートとかゲージュツとか大上段に構えたものではないが、中途半端なごった煮演芸に留まるつもりもないようだ。(オフィシャルサイトでは「総合エンターテイメント」と称しているが、もっとピタリとはまる言葉がないものだろうか。)
風変わりな編成によるサウンドはどうか。チューバは、ベースを使うよりコミカルさを際立たせている。サックスはエレキギターよりもよく「唄う」。メインボーカルを一枚看板としてドドンと据えているバンドではないので「唄う楽器」が必要だったのではないか。欲を言えばもっと太鼓を前面に、と思っていたら、どうもこの日欠けていたメンバーが太鼓担当らしい。
「参加型」を標榜するチムドンライブの一幕。メンバーがステージを離れて客席の周りを練り歩く。列に客をどんどん引き込んで踊りの輪を作る。う、こういうの苦手。いえ、見るのはいいんですが、私が輪に入っても死にかけた爺さんの行進みたいになるだけですから。
ライブ後、声をかけてみたらすぐに思い出してくれた。5年ぶりだというのに記憶力のいい人だ。実は思い出したふりだったり、いや、まさか。
サイ祭サイ 琉球ロマン紀行 流れ星(DVD付)