音のスキマ

私は普段BGMを流さない。音が鳴り続けているのが苦痛なのだ。商店街など、下らない音楽が垂れ流されている場所に長時間いるのは苦痛以外のなにものでもない。
そこでまた松田美緒のCD「アトランティカ」である。
「音のない瞬間」の多さがいい。だからこれは優れたアルバムだ、などと飛躍する気はないが、私には好もしい。別に1秒、2秒と間が空くというのではなく、休符が文字通り休符であるとでも言えばいいのか、シンセサイザーやリズム楽器が間断なく鳴り続けるといった体の音作りとは全く対照的だ。音と音の「間」というよりも「隙間」。それが心地よい。
これはこのアルバムを語る上では重要でないかも知れない。枝葉末節とさえ言えるかも知れない。たまたま私が気に入った一要素を述べただけなのであしからず。
オリガなんかもねえ、あんなふうにゴテゴテ作りこむよりも、簡素なアレンジで声で勝負してくれていたら、私もファンになっていたかも知れないのだけど。
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