金で買えないものはない

ライブドア堀江貴文社長。私は好きでも嫌いでもないが、彼のこの言葉は好きである。といっても真意を確かめたわけではないが。少なくとも額面通りに受け取って反論したところで彼の持論はビクともすまい。
「お金がなくとも」といった言葉がどうも好きになれない。いやらしく聞こえることが多い。ふざけるな、稼げこのバカと言いたくなる。「そういうお前の年収いくらだ」という突っ込みはご勘弁を。
思うに、堀江氏には偽悪志向があるのではないか。効果を狙って、あるいは照れ隠しに過激な表現を用い、世間の反発を買う。その真意は健全なビジネス感覚に裏打ちされたものであることが少なくないように思うが、皮相な解釈で目くじらを立てられ、その弁明に労力を費やす破目に陥っている。同じことを平易な表現で述べていたなら、ここまで風当たりは強くならなかったにちがいない。
ああなんだか身につまされる。いや私の感覚が健全だという話ではなくて、わざわざリスクのある言葉を選んだがために、議論そのものでなく弁明に殆どの労力を費やすという失敗をネット上で何度となく繰り返して来たという点で。毒蝮三太夫を真似てお年寄りを罵倒し怒らせてしまう若手芸人のようなものか。
平凡な言葉で伝え、「わかりました」と言われたとする。しかし本当に伝わったのだろうかと不安になる。そこで真意を直に伝えようと、えげつない言葉でドカンとやる。そしてハズす。
そういえば掲示板でのそうしたやり取りとは随分とご無沙汰だ。それはひとえに私のスキルアップの賜物ではなく、他所の掲示板に殆ど参加しなくなったためである。進歩がないのは金がないからにちがいない。