PRIDE「男祭り2004」(とK-1少し)

総合格闘技にはあまり興味がないが、一昨年、去年と大晦日だけはチラチラ観ている。頭の悪そうな女性タレントをズラリと並べるなどバカっぽい演出は苦痛だが、貧乏臭いプロレス興行ばかり観て来た者としては、豪華さはうらやましい限り。
メインのヒョードルvs.ノゲイラ。私が応援していたのはノゲイラ。風采の上がらないところがいい。強そうに見えないところがいい。だがヒョードルの打撃のすごいこと。打撃のスペシャリストと寝技のスペシャリストでは、やはりああいう展開になる。ヒョードルの判定勝ち。妥当な判定と言っていいだろう。
しかし待ってくれ、と私は思う。殴りまくって勝機を見出すヒョードルと、隙を伺ってワンチャンスをものにするノゲイラとでは、手数が違うのは当たり前のこと。たくさん殴ったからヒョードルの勝ち、寝技が決まらなかったからノゲイラの負けでは、あの試合の醍醐味がそがれてしまうのではないか。
ベイダーというレスラーがいる。藤波辰爾というレスラーがいる(引退)。かたや190センチ170キロ(各資料のプロフィールがバラバラなのでおおよその数字)、かたや身長は実測180センチ以下、体重は100キロ前後と言われている。いずれの対決も内容はベイダーが圧倒。だが対戦成績は確か藤波が勝ち越している。決め技はことごとく丸め込み。攻めさせて攻めさせて隙を突くのが最上のベイダー攻略法というわけだ。
柔と剛の対決。ノゲイラヒョードルの対決もしかり。10分−5分−5分という限られた時間では判定にもつれ込む可能性が高く、判定ならばヒョードル有利は明白。もしこれが時間無制限であったなら、と考えるのは都合がよすぎるだろうか。

さてK-1。曙は体重があるとはいえホイスが相手では荷が重すぎた。あれで戦闘龍なみの体型になれていればまだ期待が持てようというものだが、あれだけの肉を落とすのは容易ではあるまい。
そしてボブ・サップ。ひたすら逃げ回る第1ラウンド。K-1のルールはよく知らないが、戦意喪失TKOでもいいのではないかとさえ思った。少なくとも打撃の練習を積んで来たようにはとても見えない。そして総合ルールの第2ラウンドに入った時は既にスタミナ切れ。優位なポジションを取ってももたつくばかり。なんだかあちこちで利用された挙げ句潰されたという感じがして痛々しい。どこか道を絞ってもう一花咲かせてもらいたいところ。