長谷邦夫「漫画に愛を叫んだ男たち」

長谷邦夫による赤塚不二夫伝。面白い。

漫画に愛を叫んだ男たち トキワ荘物語

漫画に愛を叫んだ男たち トキワ荘物語

全盛期の赤塚漫画って実は殆ど読んでいない。リアルタイムで読んだのは「チビドン」くらいか。傑作には数えられていないと思う。せいぜいトキワ荘出身でただ一人女癖の悪かった人(よく言えば惚れっぽい上にモテた)くらいのイメージしかないというのが正直なところ。
アル中だったとかどんどん人が離れて行ったとかいう話は何かで読んで知っていたから、やり切れない部分がかなりあるんだろうなと思って読み出したが、やはりそうだった。
トキワ荘出身の漫画家の作品に慣れ親しんで育った世代としては、当時の様子への興味は尽きない。晩年の寺田ヒロオがアル中だったことをこの本で初めて知った。入院しなきゃまず治らないという常識がまだない時代だったんだな。