ジーン・ウェブスター「あしながおじさん」

再読しようと思ったらない。思い出した。人に貸してなくされたんだ。で、古本屋で購入。

あしながおじさん (新潮文庫)

あしながおじさん (新潮文庫)

ん〜なんか訳が違う。Jerushaのカタカナ表記がこの本では「ジルーシャ」だが、前に読んだのでは確か「ジェルーシャ」だった。恐らく角川文庫のものだろう。
翻訳ものは苦手だ。ましてやこれは昭和29年に訳されたもの。

ジルーシャは、霜枯れの広い芝生や、その先の孤児院の敷地を区切っている高い鉄柵の彼方に起伏している別荘の点在する丘や、葉の落ちつくした林の間から聳えている村の教会の尖塔などを眺めていた。

なんて文を序章で目にすると、続きを読むのが途端に億劫になる。だが、なぜか小説というやつは出だしが一番読み辛いと相場が決まっていて、少し我慢すればあとはスイスイ読める。面白ければ。
いや面白かった。前に読んだ時に比べてアニメのイメージに引きずられなかったのが幸いしたのかも知れない。
作者は女児出産の二日後に40歳を目前に死去。娘さんは存命なのしからん。