2ちゃんねる・その3

2ちゃんねる>書き込み者を名誉棄損で告訴

なんとも典型的な出来事。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070116-00000009-mai-soci

 告訴状は、05年12月〜06年10月、不特定多数が「学園長は精神異常者」「ライナスでは学力が低下する」などの中傷やうその書き込みをし、同学園の信用や吉崎学園長の名誉を損なった――としている。同学園によると、中傷の書き込みは2000件以上に上り、退学者や入学予定者の辞退が相次いだという。同署(県警小田原署)は4日に告訴状を受理し、書き込み人物の特定を進めている。同学園は、2ちゃんねる運営者の西村博之氏に書き込みの削除を求めたが、削除されていない。

訴えた相手は管理者たる西村博之氏ではなく、書き込んだ本人(その点で谷澤訴訟と異なる)。削除義務を怠ったとしてひろゆき氏を訴える気はないのだろうか。
当の書き込みに言えるのは、内容が事実であるなら、書き込み者は多くの子供を救った恩人となり、虚偽であるなら罪人であるということ。どちらかわからないうちは消さないというのが、谷澤訴訟での2ちゃんねる側の主張。

追記

ZAKZAKによれば「同校は2ちゃんねるの運営者に対し、書き込んだ人物についての情報開示を求める民事訴訟東京地裁に起こした」とのこと。

匿名掲示板は「悪魔との取引」

谷澤訴訟では「名誉回復は反論で」という2ちゃんねる側の主張だったが、一方が匿名ではフェアな議論は無理との理由で認められなかった。これは当然だろう。「あの病院(学園)でひどい目にあった」と書きさえすれば、利用者を不安にさせるには充分なのだから。
つまり2ちゃんねるでは、「罪なき人の安全」より「告発機能」をはっきり優先させているわけ。両者の狭間で悩むことをしない。下のコメント欄で私が「悪魔との取引」と評したのはこういうことだ。

アンチ2ちゃんねるサイト

いくつか覗いてみたが……2ちゃんねる憎しの感情が前面に出すぎていまいち。
ひどい書き込みに「ひどいじゃないか」と腹を立てる。それ自体は大切なこと。しかし自由の制限は一歩間違えば弾圧に繋がる。だからこそ2ちゃんねる問題は難しいのだ。
好き嫌いを排してメリット・デメリットを分析したサイトはないものか。弁護士のブログでもあさってみるかな。
「ザ・バトルウォッチャー」というネットウォッチサイトは気に入っていたが数年前に閉鎖されてしまった。

2Ch管理人に破産申し立て

先の差し押さえ関連とは別の人が、「第三者破産」とやらを申し立てたそうな。よくわかりませんが司法が債務超過と認めるかどうかがカギ、らしい。
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007011633.html

第二の2ちゃんねるは現れるか

2ちゃんねる支持派の間に「たとえ閉鎖しても似たような掲示板がまた現れるだけ」という意見が多数あるが、どうだろうか。「同じやり方」をすれば「同じように訴えられる」のは確実。となれば匿名性の程度や削除体制などをそのまま真似ることはないだろう。
コミュニティサイトで年収1億円! というのは魅力的なサンプルにはちがいないが、賢い実業家なら別の形を探るのではないかな。たとえばmixiのように。

毎日新聞より

西村博之氏のインタビュー。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/kunrin/news/20070101ddm003040021000c.html

−−中傷や個人情報の暴露が行われている。
◆度を越したものは削除すればいいだけ。
−−削除まで時間がかかり、ネットの他の場所に広がってしまう。
◆それはネットの仕組み。世の中に銃がなければ平和だよねっていうのと一緒で、あるから仕方がない。

要するに「泣き寝入りの構造は仕方がない」と明言しているわけ。書いたやつがきちんと罰せられる社会でなければならない、なんて意識はない。谷澤訴訟以後のIP開示と同様、構造を直さざるを得ない状況に追い込まれたら直すといったところなのではないかな。直した(直せた)時点で、「仕方がない」という彼自身の言は覆されることになるのだが、さてこの先どうなるか。