月田秀子コンサート

新橋ヤクルトホールにて。この歌手のコンサートに行くのは何年ぶりだろう。確か最後に行ったコンサート会場で松田美緒さんに初めて会った。その松田さんの歌を初めて聴いたのが2002年。ということは月田さんのそのコンサートは2001年、場所は銀座だ! ファド以外の歌をかなり唄っていたのと、編成にウッドベースが入っていたのを憶えている。(打ち上げにもなぜか紛れ込み、飲み代踏み倒して帰った。)「FADO FESTA 2004」でも2曲ばかり聴きはしたが、まあとにかく久しぶりなのだよ。
野太く力強い歌声は、コテコテファドにうってつけ。高らかに歌い上げる時の情感と圧倒的パワーは日本ファド界の重鎮と呼ぶにふさわしい。しかもその情感は、以前よりも深まっているように感じられた。
が、この人のファドは聴いていて少々肩が凝る。というのは、唄っている間、力を入れっ放しなのだ。強弱を付けていないわけではない。緊張と弛緩のメリハリと言えばいいだろうか。つまり歌唱に弛緩する箇所がない。
それでも、いい時はいい。2001年はとてもよかった。ツボにはまれば、やはりさすがと思わせる。しかし今回は……ん〜乗り切れていなかった印象が強い。やはり本領が発揮されやすいのはライブハウスか。