プロレスリング・ノア in 日本武道館

丸藤正道vs.KENTA

今日はこの試合に尽きる。(というカード編成でもあったが、前座は内容的にも今ひとつだった。)
重厚さを感じさせる試合。それも、技が重いといった物理的なものではなく、目に見えない重さ。旨味、コクとでも言うべきか。攻防が高度であるとか華やかであるとか、そういった事柄に留まらないビッグマッチの必要条件。それを満たすような試合を彼らはやってのけた。意味不明だが、とにかくそう感じた。
エスカレートの一途を辿る危険技だけは支持できないが、彼らがプロレスラーとして従来のジュニア選手にない厚みを身に付けつつあるのは間違いない。この一戦で、2人の集客能力は飛躍的に上がったのではないか。
今年のベストバウトの有力候補となるだろう。歴史的価値を加味すれば尚更だ。

潮崎豪

技の重みが増している。こちらは物理的に。
意外と不器用な選手のようで攻めにぎこちなさが感じられるが、チョップもラリアットもちゃんと「痛そう」だ。小橋の技のコピーばかりなのが非難の的になっているようだが、あれだけやれれば現時点ではいいんじゃないか。

橋誠

丸藤とKENTAは「相手がこう来たらこう」と細かな切り返しまで実によく考えて試合をしているのに対し、橋は無為無策にすぎる。小細工ばかりでも困るのだが、もう正面からぶつかって玉砕なんて試合の許されるキャリアでもないのだから、もっと頭を使うべきだろう。物理的にではなく。