梨木香歩「西の魔女が死んだ」

1年以上前に買って紛失していたのを発見し表題作のみ読了。梨木香歩の作品は初めて読む。

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

主人公がイギリス人である祖母と暮らす一時期が描かれた物語。面白い。ともすれば啓蒙精神むき出しの説教小説になってしまいがちな設定だが、この物語からはあくまで主人公自身の声が聞こえて来る。
中学校の女生徒社会のありよう(作中では説明のみ)が興味深い。クラスには必ずいくつかのグループができ、新しい年度になると、誰と同じグループになろう、あるいはグループから自分があぶれやしないかと駆け引きが繰り広げられるという。
自分の中学時代は女生徒間の摩擦って全く見えなかったな。修学旅行なんかのグループ分けの時の揉めようが意外だし不思議だった。