違う種類の酒をまぜこぜに飲むことをチャンポンというそうな。悪酔いの元とよく言われるがピンと来ない。酒が好きでなかった頃は、飲み会となると試しにあれこれ飲むのが常だった。梅酒→ウォッカ→ワイン→日本酒→何々カクテルといった按配に。
一番最近の悪酔いは去年の3月。マダムとワインを飲んだ後で濃いジントニックを1杯飲んだだけだったように思う。量も種類も取り立てて多いわけではなかったが、帰りのホームのベンチで「実験」に目を閉じてみたのがいけなかった。車内で気分が悪くなって途中下車を繰り返しているうちに相鉄線の終電がなくなり「飲んだ後タクシーで帰る」という人生の汚点をこしらえた。
その前となると、もう10年近く遡るのではないか。会社員時代に2度ほど悪酔いした。無理やり飲まされたわけではなかったが、なぜか。確か乾杯のビールと、あとは日本酒しか飲んでいない。
いずれも飲んですぐではなく、解散して一人になった後で気分が悪くなった。幸か不幸か人に介抱されたことはない。
「潰れた」経験も多分ない。意識が朦朧として足腰が立たなくなるような状態、とでも理解すればいいのだろうか。私の場合、度を超すと吐く。立てない、歩けないという状態にはならない。潰れるというのは頑丈な人の特権ではなかろうか。
「色々飲んでみる」という傾向は今もあまり変わらない。むしろ同じ酒を続けて飲む気がしない。舌が受け付けなくなる。食事の時は赤ワインか日本酒に固まりつつあるが、グラスなら1杯ごとに銘柄を変える。かつて「海と森」には赤ワイン3種類の「テイスティングセット」なるメニューがあり、どれもおいしくて私には楽しいものだった。食後は甘いカクテルが中心になる。
ひたすら同じ酒という硬派な飲み方は一生できそうにない。様々な酒、様々な料理、様々なマダムと共に生きるチャンポン人生。ちょっと嫌です。