昨年下半期のビッグマッチは低調だったが今回は引き締まったいい興行だった。これが今年のベスト興行となりはしないか一抹の不安はあるにせよ満足の3時間。
第5試合 タッグマッチ 30分1本勝負
秋山準&橋誠× VS ○森嶋猛&丸藤正道
森嶋の復帰戦。噂にたがわぬデップリボディ。ところが内容はというと、落ち着き払った戦いぶりは風格すら感じさせた。この欠場は森嶋にとって精神的にプラスに作用したようだ。とにかく太りやすい体質らしく、怪我をした膝への負担が心配ではあるが今後に期待を持たせる復帰戦だった。
(第9代選手権者)○金丸義信 VS 高岩竜一×(挑戦者)
こういう頭を何度も打ち付ける試合は……という批判はもう出尽くしたと思うのでやめといて(いえ同感なんですが)、金丸という選手は技術もさることながら、頭のスマートさに感心させられる。パワーでは太刀打ちできぬ高岩相手にどうすれば勝てるかを実によく考えている。根拠? ええまあ、なんとなくなんですが。とにかくキャリアに勝る高岩相手に攻めまくられていたのに、見ていて負けそうな気がしなかった。などと褒めておきながら応援はしていないかったりする私だ。
第7試合 スペシャルタッグマッチマッチ 60分1本勝負
三沢光晴&力皇猛○ VS 天龍源一郎&越中詩郎×
私が最も夢中になってプロレスを観ていたのは90年代だが、最も思い入れの強いのはそれ以前から活躍していた鶴田であり天龍。
80年代の全日本プロレスを支えた天龍と、彼が全日本プロレスを退団した直後にトップ争いに名乗りを上げ、その後プロレス史上に残る名レスラーとなった三沢の15年ぶりの対戦。感無量である。仲田龍リングアナが天龍をコールするのも15年ぶりということになるのだろうか。
両者の絡みはチョップとエルボーが殆ど。永遠に打ち合い続けてくれという心持ちで観ていた。むきになった三沢を見たのも久しぶり。それを引き出した天龍はやはり凄い。
もう一人注目していたのは力皇。天龍と同じ各界出身で体格とパワーは天龍以上。今ひとつ脱皮できない力皇の潜在能力がどこまで発揮されるか。結論から言えば私には少々期待はずれ。序盤のぶちかまし合いは見応えがあったものの中盤に捕まって動きが止まり、いいようにやられたという印象が残った。最後は越中をフォールしたものの、天龍にも一矢報いてほしかった。シングル対決を切望。