なぜ読書をしなければいけないの?

なぜ読書をしなければいけないの?
「読書家母の回答を図書館司書たちが絶賛」だそうです。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1704/22/news025.html
この漫画を絶賛する人の気が知れない。
「なぜ読書しなければいけないの?」と聞いて来た子供に「答えを他人に求める人は馬鹿」って答えるんですかアナタ。まあ同じ質問を大人がしたら確かにバカだけど。その意味ではこの「母」の言は正しい。


「なぜ読書をしなければいけないの?」という問いに、この「母」は答えていない(そもそも答えようがないんだけどね)。
いつの間にか問いが「(なぜ)人類の多くが『本を読め』と言うのか」にすり替わり、それへの回答が「知りたいなら本を読みなさい」。そして「あなたの答えは誰も持っていない」というお決まりの相対論。
そしてまた問いが戻ってバカ呼ばわりしておしまい。
こういう一見論理的なようでいてまったく論理的でない話が私は大嫌いである。
(一応フォローしておくと、現実の「母」の言が本当に非論理的であったかどうかは、ちょっとわからない。話の持って行き方によっては、この「母」の話はとても含蓄があるものにもなり得ると思う。漫画のまとめ方が悪い。多分。)


そもそもこれを尋ねた人(子供)は、「読書は“しなければいけないもの”である」という圧迫を感じたんでしょ。誰かに圧迫されたんでしょ。誰かが圧迫したんでしょ。
ならばこの問いは実は「なぜ読書を“すべきもの”として大人は圧迫するの?」という問いであるはず。
「自分で考えろ」じゃないだろ。圧迫した側に答える責任があるだろ。「絶賛」した司書共は今すぐ廃業しろ。


こういうピントのずれた問答で子供の心が動いちゃったりするんですかね。
そもそもピントのずれに気付けないようじゃ、本を読め読め言ってる人自身、読書が足りないんじゃないの。