唐突に原秀則

なぜこの名前を出したか、とある漫画の読者ならばピンと来ることだろう。
この漫画家にはちょいと複雑な感情を持っている。
初めて読んだ作品は「さよなら三角」。といってもたまに兄が買って来るサンデーで断片的に読んでいただけ。

漫画に関しては私はかなり食わず嫌いで、大抵の漫画は絵を見た瞬間にノーサンキュー。その点原秀則の漫画はとっつきやすかった。で、なかなか面白い、ような気がしていた。確か小学生の頃。
数年後(高校生の頃)、偶然古本屋でこの漫画の1〜2巻を見付けて買ってみた。
……なんなんだ、これ。大したことが起こるでもなく、大したことが起こるでもない情景に味わいがあるでもなく、ただ「何もない」漫画。主人公がサッカーを始める前だから、なおのこと何もない。
しか〜も「幼馴染と同じ高校に行くために高校浪人する」とか「幼馴染と離れたくないからアメリカ留学話を断る」(これはだいぶ先の巻かな?)といったサイテーの選択をするヒロイン。本当になんなんだこの漫画は。
気に入らないのなら視界に入れなければいいのだが、「面白いような気がした」という記憶に引きずられ、続いて当時連載が終わったばかりの「冬物語」を全巻買ってしまった。
冬物語 1 (My First WIDE)

冬物語 1 (My First WIDE)

感想:ムキーーーーーッ!!
生まれて初めて漫画を古本屋に売り飛ばしました。
この人の漫画が気になってしまったのは、ページから描き手の純朴さや温かみを感じ取っていたからだろうと思う。だが「冬物語」を読んだ時は、イライラ以外に何も残らなかった。
今度こそ視界の外に追いやり、かれこれ20年が過ぎていた。
なぜこの名前を出したか、とある漫画の読者ならばピンと来ることだろう。