プロレスリング・ノア

3.15丸藤正道プロデュース興業

一部が「NOAH di コロッセオ」で放映された。

小川良成vs.菊地毅

0分59秒、ジャックナイフで小川勝利。おいおい。
今の菊地は、エルボー、頭突き、ブレーンバスター、ジャーマンといった技を単調に出すだけの、本当に中身のない試合をする選手になってしまっている。それでいて対戦相手からすれば、エルボーや頭突きを何発も食らうのは身体的にきついはず。
多分小川は「やりたくなかった」のだろう。攻防らしい攻防の殆どないままに試合を終わらせた。菊地は菊地で、まさかあの局面で小川が本気で抑え込んで来るとは思っていなかったにちがいない。ただ菊地が恥をかいた、それだけの試合。
小川の姿勢の是非は別にして、こうした身も蓋もない試合というのがあってもいいと私は思っている。今のノアには、選手の価値を下げる試合がなさすぎる。結果、全員の価値が下がっている。

田上明泉田純至vs.杉浦貴&谷口周平

泉田と絡むのが嫌そうな杉浦。まあどうやったって面白い試合にはならないもんな。それでいて頭突きは滅法痛いし。
それでも小川とちがって試合を成立させていた。ご苦労様です。

ヨネ軍vs.健介オフィス8人タッグ

試合後、健介をリンチする力皇とヨネ。乱入して健介を救出する森嶋。「お前らタッグ組め」と結成を勧めるヨネ。握手する健介と森嶋。
なんですかこの不自然極まる流れは。
しかも試合内容ときたら、力皇もヨネも試合後の仕掛けに頭が行っているとみえて、試合にてんで気が入っていない。この二人がこういうことやっても無様なだけよ。
もっとうまくやれなんて言わない。やんなくていい。

4.25後楽園ホール

金丸義信鈴木鼓太郎vs.青木篤志&伊藤旭彦

ヘンな仕掛けはなし。しかしだ、仕掛けを期待する観客には肩すかしだろうし、仕掛けを嫌う観客は「どうせなんかやるんだろ」という目で見るだろうし、どちらにしても乗りにくい試合のはず。
それを試合後に「俺達はクリーンな試合もできる」なんて得意げに語っているのだから、金丸も鼓太郎もわかってない。
といった背景を抜きにすれば、なかなか内容のある試合ではあった。だがクリーンで行くならそれを貫けばいいものを、最後の最後に急所攻撃やパンチを出すあたり、どうにも中途半端だ。
もっとも目を引いたのは青木。解説の杉浦も言っているように「気持ちの強さ」がよく出ている。要注目だ。

力皇猛モハメド・ヨネvs.佐々木健介森嶋猛

ん〜いまいち盛り上がらんな。客席横断ラリアットみたいなのどかな場面作っちゃいかんだろ。
クソ力揃い(一人除く)なのに、叩き潰してやろうっていう気概が誰からも感じられない。みんな人がいいから、観ている方が「おいおいやばいよ」と思ってしまうような場面は望めないかねえ。場外パワーボムみたいのは嫌だけど、想像を超える何かが少しはほしい。
相変わらず趣旨の見えないDisobey(ヨネ軍団)。
「NOAHを変えるとか言ってワルぶってるイイ子ちゃん達」という高山の評は的を射ている。


今シリーズ目に付くのは谷口の覇気のなさ。6人タッグで三沢と相対しても遮二無二攻める姿勢がまったく見えない。次にどうしようかって考えちゃうんだよな。
橋、谷口、伊藤のような、人がよくて機転が利かないタイプの選手がノアではいまいち育たない。こういう選手達にはあれこれ器用なことを憶えさせるよりも、ケンカさせたらどうかと思うのだが。ノアの選手ってリング上でケンカしないよな。かつての川田と田上みたいなケンカをさ。