新日本プロレス in 東京ドーム

2年ぶりの新日本。思ったより入ってたなあ。主催者発表40,000人もさほど大げさとは思わなかった。全日から武藤、ノアから佐野、秋山、三沢、杉浦が参戦したのも大きかったにちがいない。周りはノアファンが結構多かった。
第0試合があったそうだが、これは見逃した。
前座は……そうだな、面白くはなかったけど、ノアのダメな時の前座よりはよかったかな。恐らくは年齢層が若いという一点のみで。
ミスティコというメキシコのスターのことはつい最近知った。そのミスティコがなんと第1試合に出場。が、完全にお客さん扱い。アベルノというメキシカンがもっぱら受け役で、邪道・外道との絡みは殆どなし。とはいえ技の美しさは特筆もの。ウルティモ・ドラゴンやサントJr.に匹敵する実力者と見た。邪道・外道がいたぶる場面でもあれば、ミスティコインパクトはもっと大きかったように思うが、そうも行かなかったのだろうか。
佐野がライガーとタッグを組む。例によってソバット一本やりだが他団体選手相手だと痛快だったりする。もっとも佐野は新日育ちだけど。
IWGPジュニアタッグを奪ったモーターシティ・マシンガンズなるチームはトリッキーな合体プレーに長けており、NO LIMITとは正直格が違った。ノアならブリスコ兄弟に似たタイプか。鼓太郎&マルビンと同じ連携を使ってたけど、どっちがオリジナルなんだろ?
タイガーマスクとロウ・キーのIWGPジュニア戦は……なんの盛り上がりもないままなんとなくタイガーが勝利。実力者同士なのに……う〜ん。
煽りのVTRでドスを利かせた声で見栄を切る蝶野。こういうノリにはどうにも付いて行けんのだが、すぐ後ろの人たちは「チョーかっこいい」とか言ってた。ああいうのがいいのかなあ。それにしても長州の会場人気はすごい。ラリアットの瞬間の歓声は、この日一番だったんじゃないか?
永田と対戦した田中将斗は何年か前に見た時よりは強くなってたかなあ。ラリアットはなかなか。永田は実力はあるんだが、客を引き付けるセンスっていうのがどうにもなあ。

中西学vs.秋山準

本日の私のお目当ての一戦。入場シーンの存在感で秋山の勝利を確信。ここ数年鳴かず飛ばずだったのは体調不良のせいも大きかったようだが、今は充実してるでよ。
奇襲から既に秋山ペース。中西はペースを握れないまま敗北。強いよ、今の秋山は。10分ちょっとでの決着はやや物足りないが、まあ満足。
秋山は自分の日記では「ダメだった」と言っているけど、これは「中西の持ち味を引き出せなかった」という意味のようだ。ホントは「中西強し」を印象付けたかったんだろうな。


IWGPタッグ。チーム3Dっていうのは初めて見る。ひとことで言えば「面白い」タッグチームかな。但し試合内容はこの日一番の凡戦。「ハードコアルール」の看板が泣いている。真壁&矢野も中途半端なヒールだなあ。ノアの鼓太郎&金丸ほどではないにせよ。

中邑真輔後藤洋央紀vs.三沢光晴&杉浦貴

完全にノアの試合。三沢はもちろん、杉浦も強さを存分にアピール。
終盤は三沢が後藤をセーブして杉浦に託すが中邑が腕ひしぎで逆転勝利。こう言ってはなんだが、内容で「ノア強し」を散々アピールして、最後だけ花を持たせたという印象。
しかし試合後に長々と「俺達勝ったぜアピール」をする中邑&後藤……。インタビューでは、中邑のコメントは正直で好感が持てるが後藤は……。
「完璧な勝利ですよ。これで終わってるんじゃないかな。完全な勝利だよ。」
「全てにおいて上だったから勝った。」
「今の時点でオレらの方が上というのは間違いないんで」
池乃めだか”かい!


メインの武藤vs.棚橋はねえ。棚橋は、運動神経はいいと思うけど、天才だとは全然思わない。
しかし小佐野景浩氏(プロレス記者)がこのところ棚橋をやたらと褒めるので、ちょっと期待して観た。
http://maikai.boy.jp/
が、やはり武藤の試合。序盤、タックル合戦で倒れた武藤が、半身で棚橋に背を向けてるのね。なのに棚橋はボーッと突っ立って武藤が立つのを待ってんの。ああもう飲まれてら……。棚橋が勝ちはしたけど、武藤の試合。
悪い選手とは思わないけど、度胸もセンスもスターの器には程遠いんじゃないかなあ。身体能力だけなら秋山級かなと思うけど、それ以外は……。


興行の満足度としては「3千円なら安い」かな。但しノア絡み以外で印象に残った試合はないなあ。やっぱ三沢も秋山もうまいよ。ライガーのシングル戦でもあればまた違った感想になっていたかも知れないが。