ルーンワース2,3

続編はPC-9801版しか発売されず。8ビット機が急速に衰退し始めた頃だったせいかMSXやPC-88には移植されなかった。そこそこ売れていたようだがなぜかX68000への移植もなし。
プロジェクトEGGで買えます。
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タイトル:ルーンワース2 時空の神戦、ルーンワース3 新聖紀光臨
発売年:1991
機種:PC-9801
開発:T&Eソフト

2と3では、同じシステムで2本のゲームを作るという方法で低価格化を実現。1本のソフトを2本に分けて発売しただけという印象なきにしもあらずだが、2から3にかけては操作面で結構改良されていた。
さてゲーム内容だが……とにかく快適さを追求して前作をとことん改良した跡が伺える作品。が、プレイした印象としては、「やけにフツウのゲームになっちまったなあ」。
まず副題がよくない。
第1作「黒衣の貴公子」が特別いいとは言わないが、謎めいた魅力はある。それが
第2作「時空の神戦」
第3作「新聖紀光臨」
芸も捻りもありゃしない。第4作は「新たなる旅立ち」とか言わねえだろうな、とこれは当時のT&Eの社員のギャグ。
内容的には、快適さはアップ、突っ込みどころもこれといって見当たらない。でもそれだけ、という。面白いことは面白いけれども、これが「ARPGの新しいスタイル」として打ち出したシリーズの最終作かと思うと、インパクトの薄さは寂しい限り。
おっと、そういえば第2作、第3作で新しい試みがひとつあった。

演出は全て原寸キャラで

えっとつまり、普段は画面内を動きまわるのは小さなキャラだけれど、ストーリーの節目節目でドンと大きな絵が出るという演出が当時は当たり前だったわけ。それが「映画さながら」とか褒めそやされる風潮に「アンタら本当に映画観たことあんの?」と異を唱え、あえて小さなキャラのまま全てを演出するという手法を打ち出したと。
その是非は置いといて、実際演出は前作以上に凝っている。オープニングでの魔法の応酬なんかは、当時はホホ〜と感心して見たものだ。風や波の表現もなかなかお見事でした。
ただ、前作から引き継がれた、扉や宝箱の開閉なんかは、キャラが大きくなったせいなのかフレーム数が減ったせいなのか、動きが粗く見えて残念だった。

アクションシーン

アクションシーンはだいぶ快適になった。敵の強さは適度だし、倒すとアイテムを落とすことがある。剣から繰り出されるビーム(?)もかっちょいい。ボス戦も、前作では体力回復剤を大量に持っていれば楽勝という大味なものだったのが、それなりにスリリングなものになっている。
しかしマッピングが……。建物の構造が凝っててさあ、手書きのマッピングなんてできたものじゃない。ひたすら迷路をさまよって……ああ疲れた。ほんとこういうの苦手だなあ。

処理速度

ちょっと遅かった……。そして新し目の機種の高速なモードでは「動作しない」。ここは残念だった。
それでもT&Eソフトのプログラム技術は高い部類だった。PC-98であれでは8ビット機への移植は無謀だったろうなあ。

帰りたい・帰れない

ルーンワース3はほぼ面クリア形式となっている。つまりアイテムを取りこぼしたらそれっきり。低いレベルで最後の迷宮に行ったら悲劇です。この辺はどうにかしてほしかったなあ。
それに、ARPG(アクティブRPG)とはいっても、アクション主体にしたら正当アクションゲームには敵わないんだよなあ。アクションゲームとしてもRPGとしても中途半端だった、という悲しい結論。

遊びの要素

あの真面目くさった副題からして嫌な予感はしたさ。前作みたいなオチャラケが殆どないのね。せいぜい、前作の大食いの王様の子孫(?)がやっぱりデブの大食いでした、というくらいで。神出鬼没の謎の男(ガジェだっけ?)が登場する度に大仰な曲が流れるというのもあったけど、曲がいまいちで滑り気味だった。あと「ダカンチャゲーム」っていうのもあったか。抽選でアイテムがもらえるという(ゲーム内での話ね)、それだけだけど。
主人公がどうにもいい子ちゃんでねえ。「オヤジの頭に蹴りを入れてやった」とか、そういうのまったくなし。
はっきりいって当時のゲームのストーリーなんて程度が知れてるんだよね。それを真面目一辺倒でやられても。だったら小説読んだ方がいいよってなっちゃう。

BGM

担当者は全然知らない名前だった……。
FM3音PSG3音という制約を考えれば、音作りに関してはかなりのテクニックの持ち主だとは思った。
けど曲自体に魅力がないのね。それらしくまとめましたっていうレベルで、まるで耳に残らない。気に入った曲はゼロ。アクションシーンだと、部屋を移る度に曲が振り出しに戻るから、同じフレーズばかり聞かされて、それも苦痛だったなあ。街のBGMが1曲だけというのも寂しい。

エンディング

恥を忍んで言います。意味わかりませんでした。
第3弾のエンディング、何がどうなったんですか。